ヒバクシャ：なぜ生き残ったのか 負い目感じながら見つけた「使命」 | 毎日新聞

あの日、13歳だった。同級生192人が亡くなる大惨事を生き延びたが、ずっと負い目を感じながら過ごしてきた。92歳の今、「当時の記憶を伝えたい」との思いで、絵を描き続けている。 被爆者の西岡誠吾さん＝広島県廿日市市＝の日課は新聞を読むことだ。ロシアによるウクライナ侵攻や、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘のニュースに胸を痛める。 「罪のない人が大勢犠牲になっている。昔の日本を見ているようだ」 1945年8月6日。西岡さんは県立広島工業学校（現・県立広島工業高校）の1年生だった。この日、同級生らは学校とは別の場所で、空襲による延焼を防ぐための建物疎開の作業に従事していた。西岡さんは体調不良で参加できず、学校に向かった。ちょうど校門付近に着いた瞬間、「ピカッ」と光った。熱くてたまらない。ほんの数秒だったが、何分も続いたように感じた。 目の前に広がる「地獄」 爆風で吹き飛ばされ、倒れてきた校舎の下敷

[taketake89]

“あの日、13歳だった。同級生192人が亡くなる大惨事を生き延びたが、ずっと負い目を感じながら過ごしてきた。92歳の今、「当時の記憶を伝えたい」との思いで、絵を描き続けている”