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仏像にまみえる 世親菩薩立像:六田知弘の古仏巡礼(6)(nippon.com) - Yahoo!ニュース
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仏像にまみえる 世親菩薩立像:六田知弘の古仏巡礼(6)(nippon.com) - Yahoo!ニュース
兄の無著像(むじゃく)と共に、興福寺北円堂に安置される世親像。それぞれ2メートル近くある大作だが、... 兄の無著像(むじゃく)と共に、興福寺北円堂に安置される世親像。それぞれ2メートル近くある大作だが、兄は老齢、弟は壮年の顔つきをしている。 静寂な堂内に人がいる。そう感じさせる迫力がある。 いびつな頭の形、非対称な左右の目…。生きている人間の顔を、そのまま寄木の表面に写し取っているかのようだ。誰もが肖像彫刻の名作だと思うだろう。 本像は、5~6世紀に実在したインドの学僧、世親だ。兄の無著(むじゃく)と共に唯識思想を体系化させたと言われる。世親は、ブッダの教えを忠実に守るテーラワーダ仏教(上座部仏教)を修め、当初は兄の無著が説く大乗仏教を批判。しかし、やがて兄に感化されて大乗仏教に転向したという。その後、存在するものはただ心のみであると説く唯識教義を体系化し、多くの著作を残し後世に大きな影響を及ぼした。 無著・世親の両像とも2メートル近くある寄木造の大作だが、二体には構造の上で若干の違いがある