めざめようか｜吉本ばなな

中学校のときの同級生の伊藤くんが交通事故にあって、植物状態になってしまった。そのニュースはすぐにメールで回ってきた。 彼の家庭は複雑で、彼には両親がいなかった。お父さんはひとりっ子の彼をお父さんの両親の元に置いていって別の女性と結婚し、そのあと行方をくらましたそうだ。 お母さんは彼を産んで数年後に若くして亡くなっていた。 だからずっと父方のおじいさんとおばあさんが彼を育てていた。そのおふたりもそんなに裕福ではなかったので、脳死と診断された彼を長い期間病院に置いておくお金はない。 友人、知人、親戚にひととおりゆっくりと会ってもらって、そのあとで人工呼吸器を外そうと彼らは決めたそうだ。 その知らせを聞いて、とても気が重かったけれど会いに行くことにした。 懐かしいクラスメートのいろんな人たちからみんなで行こうと誘われたのだが、私は断った。 「みんなビビってるんだろ、他の人といっしょに行って気を紛

[tekmak]

図書館の背表紙で見かける作家が同じ時代を生きてるの面白いね

[mventura]

創作かと思いながらも。途中でタイトルみたら「めざめようか」だったので、ここから伊藤くんが目覚める日常系謎ファンタジーになるのかなと期待したが、ならなかった。

[uehaj]

この後に必ず田中君ちに行く、という安心があってよい。そこでたべるおまんじゅうはうまいだろう。

[baja]

さすが

[LethalDose]

良かった。

[wuzuki]

さすがベテラン作家さん、noteでも読みやすくて一気に読んでしまった。