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ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳『掃除婦のための手引き書』 あなたのルシア、私たちのルシア|槙野さやか
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ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳『掃除婦のための手引き書』 あなたのルシア、私たちのルシア|槙野さやか
ある種の本は開いて字を目に入れると自動的に気持ちよくなる。私はそれらを口あけて何も考えずに読む。... ある種の本は開いて字を目に入れると自動的に気持ちよくなる。私はそれらを口あけて何も考えずに読む。かつて「ばかの読書」と言われたことがある。否定はしない。 ルシア・ベルリンの短編集『掃除婦のための手引き書』【註1】はそのような「ばかの読書」をする私にとって最高の一冊だった。目に入れると気持ちよくなる、しかもその気持ちよさが新しい。知らない作家の本を読んでこのようにヒットするとほんとうにうれしい。私のための本のようだと思った。人に誘われて出版記念のトークショー【註2】に行ったらば、登壇した翻訳家とコラムニストが「私たちのルシア・ベルリン」と何度も言った。「ルシア・ベルリンをこんなに愛しているのは私だけだと思いました」「そう思わせる作家なのです」「俺のルシア、ですね」「俺たちのルシア、ですね」。 すぐれた作家にはそういうところがある。ある種の読者に「私の」と思わせる機能がそなわっている。ほんとう