エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
記事へのコメント2件
- 注目コメント
- 新着コメント
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
橋本治のこと|槙野さやか
十代のころ、世界はおかしいと思っていた。生まれた家庭はろくなものではなかった。中学校では教師が生... 十代のころ、世界はおかしいと思っていた。生まれた家庭はろくなものではなかった。中学校では教師が生徒を殴っていた。高校の制服を着て歩くとスーツを着た男が立ちふさがって、にたにたしながら「いくら」と訊いてきた。誰も正しくなかった。でも死にたくはなかった。死ぬのは怖いからだ。だから私は本を読んだ。本を読んだ。本を読んだ。本は図書館に行けばたくさんあるので、片っ端から読めば誰かが正しいことを言ってくれているのじゃないかと、そう思っていたからだ。 小説は好きだった。覚えていないほど昔から好きだった。でも思春期に必要としたのは小説だけではなかった。私には目の前の世界について語ることばが必要だった。十五にもなれば好きな小説だけ読んで生きるわけにはいかないとわかる。私にはサバイブのための具体的な武器が必要だった。世の中がおかしいからといってぐちぐち言っている暇はなかった。私は生きたかった。だから本を読んだ
2019/10/22 リンク