進化における「適応」という言葉をめぐって｜河田 雅圭

進化における「適応」という用語の使い方には、古くから議論があり、その使い方には注意が必要である。最近、G.C. Williamsの『適応と自然選択』の邦訳(1)が出版され、その訳者である辻和希氏の後書き(2)でも「適応」の間違った使い方が指摘された。しかし、適応という概念は、その使い方が難しく、生物学のなかでも、その用法は混乱しているところがある。ここでは、最近の自然選択の研究を踏まえながら、なぜ適応という概念の適用が困難かを解説する。 適応の意味とは 日常生活で、「新しい職場の環境に適応できない」というふうに、その場の状態や条件にうまく対応できることのような意味で「適応 (adaptation)」という言葉を用いることが多い。たとえば、温暖化に対する対応としてもちいられる「適応」は、気候変動による影響に対応して被害を軽減するためのアクションという意見で用いられている。一般的な生物学的意味

[crowserpent]

ゲノム解析の進歩で進化のプロセスを辿れるようになってきた結果、進化論における概念の論理的な不完全さが無視できなくなっている、という話かな。

[rrringress]

適応という語の主語とタイムスパンの概念が大分異なるのが混乱の原因だと思っている

[blueboy]

　64歳の東北大教授。／ 1遺伝子変異と環境との関係を考えるのは、小進化の話だけだから、大進化とは何の関係もない。いくら論じても大進化の本質には到達できない。大進化とは関係のない話のみ。　　　https://x.gd/prD3t

[mazmot]

古くは70年代頃に今西錦司がこの辺に文句つけてた記憶があるが、あいまいで、ちがってるかもしれない。

[sadamasato]

こういうのを読むと、「進化心理学的に男女差別は合理的だと説明できる！」という人がトンデモだとよく分かりますよね。乳糖の例のように、過去に必要だった形質が、現在も必要だとは限らないですからね。

[ystt]

“特に強い自然選択が働くと、自然選択に有利な変異は、比較的早く頻度を増大させ、ほぼ固定する。従って、現在観察されている性質をみても、適応度に違いのある遺伝的変異はそれほど多くないという可能性はある。”

[anguilla]

難しい…

[SasakiTakahiro]

適応的性質は、自然選択の結果進化したとは限らず、また、自然選択が関与していたとしても、それ以外の様々な複雑な要因も絡んで進化したと考える。

[hdampty7]

進化論は結果論のように思えて学生時代いっぱい勉強したけど、よく分からんかった。基本的な概念は確立されてたけど、その当時から深いところは教授同士で言ってることが違ってて、何が何やらみたいなのはあった。。

[kjin]

言葉の定義の、またその定義を受け取る側の難しさだなあ。でも言葉は変わりゆくもの、てことも言われるし。