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平家物語3〈殿上の闇討(やみうち)②〉〜The Tale of the Heike 🪷 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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平家物語3〈殿上の闇討(やみうち)②〉〜The Tale of the Heike 🪷 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
戦場で鍛え上げた忠盛の目は、宮中のうす暗いところで、 かすかに人の気配のするのを敏感に感じ取った。... 戦場で鍛え上げた忠盛の目は、宮中のうす暗いところで、 かすかに人の気配のするのを敏感に感じ取った。 彼はやおら、刀を抜き放つと、 びゅん、びゅんと振り廻《まわ》したからたまらない。 大体が、臆病者揃いの公卿たちは、 闇夜《やみよ》にひらめく一閃《いっせん》のすさまじさに、 かえって生きた心地もなく、呆然と見ていただけだった。 主人が大胆な男だから、家来の方もまた粒よりだ。 左兵衛尉平家貞《さひょうえのじょうたいらのいえさだ》という男は、 狩衣《かりぎぬ》の下にご丁寧にも鎧《よろい》までつけて、 宮中の奥庭に、でんと御輿《みこし》を据えて動かない。 蔵人頭《くらんどのとう》の者が、 目ざわりだから、どいてくれと言うと、 こっちは、待ってましたとばかり、 「どうも今夜あたり、闇討があるって話ですね。 やっぱり主人の死に際は、見ておきたいからね」 と洒々《しゃあしゃあ》と答えたまま平気な顔をして