力強く発した「ママ」中華航空機墜落から30年 定年までに残された宿題：中日新聞Web

「ママ」。全身傷だらけの小さな男の子が、大粒の涙を流しながら力いっぱい声を出していた。航空機内でついさっきまで一緒にいた母親が戻ってくるのを信じて。 中華航空機が墜落した名古屋空港（愛知県豊山町）の現場から、病院へと急ぐ救急車内。西春日井郡東部消防組合消防本部（現・西春日井広域事務組合東消防署）の隊員だった高木幸彦さん（59）は、ストレッチャーに横たわる男児の叫びに涙が止まらなかったのを覚えている。同乗した他の2人の隊員も一緒に泣いていた。