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抵抗組織としてのむら【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第291回
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抵抗組織としてのむら【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第291回
東北には国有林が多かった。青森、岩手、秋田の北3県がとくにそうである。 なぜかと聞かれると私はいつ... 東北には国有林が多かった。青森、岩手、秋田の北3県がとくにそうである。 なぜかと聞かれると私はいつも次のように答えたものだった。 東北は北に行けば行くほど人口に比して山林の面積が広くなり、しかも林産物の商品化があまり進んでいなかったために、明治以前は林野に関する所有権の意識が相対的に弱かったからだと。 明治の初めに政府の役人がむらに来て来て、あの山林は誰の所有する土地かとむらびとに聞く。入会山であればそれは「誰の土地でもない」。だからみんなはそう答える。 もちろんみんなで利用している土地ではある。だからみんなのものと答える場合もある。そうすると今まで納めたことのない税金がみんなにかかる。しかも「血税」ともいわれているようで、血で税金を納めるらしい。もちろんそれは間違いで貨幣で払うのだということがわかってくるが、それにしてもお金などあまりない。自給自足に近い段階にあり、貨幣経済が浸透していな