視点・論点 「日本語の空気」 | 視点・論点 | 解説委員室:NHK

一橋大学教授 石黒 圭 私は、ふだん大学で留学生に日本語を教えています。日本語を初めて学ぶ留学生がまず驚くのは、日本語に自分のことを指す言葉、一人称の種類が多いことです。たしかに、「私」「僕」「俺」「わし」「おら」「おいら」「あたし」「うち」「わたくし」「小生」「我輩」「拙者」など、本当にさまざまで、留学生は戸惑います。日本人は、なぜ、こんなにたくさんの一人称を使うのか。英語なら「I」ひとつで済むのに、というわけです。 日本語に一人称が多いのは事実ですが、私たちはふだんそんなにたくさんの一人称を使っているでしょうか。夏目漱石の猫でもないのに「我輩」を使ったり、侍でもないのに「拙者」を使ったりするでしょうか。一般的には、男性なら「私」「僕」「俺」のなかから、女性なら「私」「あたし」「うち」のなかから、二つか三つを使っているぐらいでしょう。数は多いけど、実際に使っているのはごく一部なのです。

[tatsuh]

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[Ivan_Ivanobitch]

石黒先生だ。

[notio]

仕事先では確かによく聞くようになったなぁ「自分」、と思っていたので、なるほどと思わされた。逆に一般会話では若い人でも自分はあまり見ないけど、文章だと結構あったりで、面白い。

[muhimebiko]

自分という一人称を使う人が多いことに驚き。とても面白いエントリーです。

[makou]

文字の上だとまた違う面がありそう。

[tettu0402]

なるほど。一人称にみる自己認識。「『自分』という一人称は、軍隊や警察で使われてきた言葉ですが、今では、大学でもオフィスでも耳にするようになりました」。

[rocketboy_miya]

「一人称は、自分で自由に決めているわけではなく、周りからどう見られているか、見られたいかで決まっているという点です。」