私はこういう人間である、と同じくらい、もしかするとそれ以上に「こうありたい」「こうあろう」という表出が、自己表現にはあると思う。とりわけソーシャルメディア上(セルフィ、フィルムカメラでの1枚、何を食べるか、何を着るか)の自己表現には、それらが込められ、露わでいるからこそ多様だ。近年では、ジェンダーにおけるフルイディティ(流動性、うつろい)、さらには一人の人間、生物としてのフルイディティを表現する人たちがいる。どちらでもあること、どちらでもないこと(この二つは違うし)、“どちら”にとらわれないこと、あらゆるものであろうとすること——自分という存在のうつろいと確かさについて、そしてその表現についてをそれぞれのリアルや思うことを聞いていくシリーズをはじめます。 今回、二人目に紹介するのは、パルマ・ハム(Parma Ham)。ロンドン在住。ダークテクノを基調としたバンド「ニュー・フレッシュ(New