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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (2)

  • 作ってはいけない : 有機化学美術館・分館

    8月15 作ってはいけない 有機化学の研究では、非常に数多くの化合物を扱う必要があります。特に製薬企業の研究所などでは、最適な化合物を探索するために、いろいろなパーツを体に結合させて試す、いわゆる「置換基を振る」という作業があり、多くの試薬を扱うことになります。 この際、意外と簡単な化合物なのに、なぜか試薬として市販されていないことがあります。まあしゃあない、これくらい自分で作るか、とうかつに合成するとえらいことになるケースが世の中には存在します。 代表的なのはフェニル酢酸。簡単な構造で、ペニシリンGの置換基にも含まれていたりしますが、これを作ると覚醒剤取締法違反となってしょっぴかれます。これ自身に覚醒剤としての作用はありませんが、アンフェタミンなど合成覚醒剤の原料になるため、製造や所持に厳重な規制がかかっているのです。フェニルアセトンや、フェニルアセトニトリルもこれと同様です。そのわり

  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

    「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館
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