「新しい公共」考える契機に タイガーマスク現象(1/2ページ)2011年1月21日15時17分 「伊達直人」を名乗る人物からランドセルなどが贈られる動きは全国に広がっている=広島市 西田亮介さん 西田亮介 東洋大講師(公共政策) 2010年12月25日、前橋市の児童相談所にランドセル10個が届けられた。送り主は不明。過去の人気漫画『タイガーマスク』の主人公「伊達直人」を名乗る人物の手紙が添えられていた。 事態はこれにとどまらなかった。全国で、「伊達直人」を名乗りながら児童養護施設などにお金や物を届けるという「事件」が同時多発的に起きたのだ。 この善意の連鎖は何を意味するのか。 一連の出来事の新しさは、匿名による寄付の連鎖と早い拡散にある。前橋市の件がマスメディアに取り上げられたあと、わずか1カ月の間に同種の匿名寄付が瞬く間に広がった。送り主の名をインターネットで人気があるキャラクターの名称