職業柄本に溢れる生活をしている。 家の中が本で膨満してしまい、足の踏み場もない。 本を床に敷き詰めて、一段高くして絨毯を敷けばいい、と一瞬考えたがそれじゃあ本が取れない。 そこで、安いマンションを一室借りることにした。 金銭的には問題ない範囲だ。月1万7千円の部屋を見つけている。 本を置くだけの部屋だ。 つげ義春のマンガに、交際相手? の女性に黙って部屋を借りる話がある。 主人公の男はそこで片時の一人を満喫する。 臥所に寝転がり、煙草を吹かす。 その内に交際相手に露見し、最後には母親も連れて来られてしまう。 男の企図がガタガタと崩れて行く過程が面白いお話だ。 秘密基地、みたいな期待がある。 日中に本の整理をしてちょっと寝転んで、普段住む地域とちょっと異なるその場所で、ちょっと気分転換する。 非日常への淡い期待がある。不断の部屋もだいぶすっきりする。 楽しみだ。