国土交通省のリニア有識者会議が10月27日に開かれ、JR東海は当日の会議テーマとかけ離れた、「大井川直下の南アルプストンネル掘削工事で大量湧水の可能性は小さい」などと説明した資料を提出した。専門家から異論、反論はまったく出ず、JR東海の主張がそのまま受け入れられた。 会議終了後の会見で、静岡新聞は有識者会議の結論にかみつき、国、JR東海へ何度も疑問を投げかけた。これまで同紙はJR東海の非公表資料を元に「大井川直下の大量湧水の懸念」を繰り返し報道、これに応える形で川勝平太静岡県知事は資料の公開を要求、“連携作戦”を展開していた。 JR東海は専門性の高い基礎データであり、住民らに不安を与えると公表を差し控えていた。有識者会議の翌日の新聞各紙の紙面を見ると、ほとんどの新聞が「中下流域の地下水への影響は極めて小さい」という有識者会議の結論を報じていたにもかかわらず、静岡新聞朝刊は「地質議論深まらず