(譚 璐美:作家) 中国の内モンゴル自治区の小中学校で、昨秋から「教育改革」と称して、モンゴル語の授業が大幅に削減されて、標準語(漢語)教育が強制されている。 「内モンゴル」とは、モンゴル高原の「外モンゴル」に対し中国に接した地域を指し、現在は中華人民共和国の行政区分で内モンゴル自治区として自治が認められている。面積は日本の約3倍。人口約2400万人のうち、モンゴル族は約400万人で、8割以上を占める漢族は、中国政府が長期にわたって漢族の入植政策を積極的に進めてきたことによる。 中国政府は、「教育改革」の表向きの理由として、中国の公用語である漢語を普及するためとしているが、もともと内モンゴル自治区では「第一公用語」はモンゴル語と法的に定められてきた。それを2017年以降、チベット、新疆ウイグル両自治区で実施されてきた強制的な民族同化政策と同じように、モンゴル族の同化を目的にモンゴル語教育の