日々の基本は「一汁一菜」でじゅうぶん――料理が苦手な人がもっと気楽に台所に立つためには、どうすればいいのでしょうか。 土井善晴: 日本には昔から、料理をするにしても食べるにしても、栄養的な面も含めてすべてを網羅する「一汁一菜」。つまり、お味噌汁とご飯、漬物です。これを一日3食食べていればなんの問題もありません。全て発酵食品ですから、人間が美味しくつくろうと考えなくても良いのです。それは自然物ですから飽きることもありません。フランスのチーズにパン、ワイン、ハムも全て発酵食品ですね。それに温かい野菜スープで、フランス式の一汁一菜になります。 漬物がなくても、味噌汁を具沢山にすれば、味噌汁がおかずの一品をかねますから、ご飯と味噌汁だけでいいわけです。お椀一杯分の具とお椀いっぱいの水(8分目)を鍋に入れて火にかけ、煮立てば味噌を溶いて、しばらく馴染むまで煮れば出来上がりです。これなら子供でも作れま