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  • AIと少女の深い愛情を描き出す、カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後第一作──『クララとお日さま』 - 基本読書

    クララとお日さま 作者:カズオ イシグロ発売日: 2021/03/02メディア: Kindle版この『クララとお日さま』は、カズオ・イシグロが2017年にノーベル文学賞を受賞してからはじめての著作となる。原題は『clara and the sun』だが、「太陽」ではなく「お日さま」なのは(加えて、デザインがとても童話・児童書っぽいのは)、作がそもそも5、6歳の子向けの話として始まったから、という理由がある。 そういう前提があって、読み始める前はあまりにも子供向けっぽい感じだったら楽しめないかもなあと思っていたのだけど、読んでみたらそんな杞憂は吹き飛ばされてしまった。児童書っぽいスタイルなのだけれども、それはまだ人間とこの社会について何も知らないAIのクララが世界を知っていく過程が描かれているからであって、しっかりカズオ・イシグロの最新長篇として成立している。丹念に感情のゆらぎ、世界の情景

    AIと少女の深い愛情を描き出す、カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後第一作──『クララとお日さま』 - 基本読書
    huumm
    huumm 2021/03/11
    シンエヴァ家族総出で見てるから今月はもうお金が…もうすぐ三体も出るし…
  • 10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書

    アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森望・伴名練編)は野崎まどの笑撃作「第五の地平」から小川一水による数学SFの傑作「アリスマ王の愛した魔物」、ベテランから新鋭まで幅広く取り揃えたアンソロジーだ。 2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア: 文庫今年は海外編も前回の年代別傑作選から十八年ぶりに『2000年代海外SF傑作選』、『2010年代海

    10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書
    huumm
    huumm 2021/01/10
    サハリン島読んだよ、エンタメパニック恋愛小説と思わせといて最後に文学かまされてロマンス大好きおばさんは悲しかった
  • この10年で最高のロシアSFと言われる傑作終末SF──『サハリン島』 - 基本読書

    サハリン島 作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリスキィな褒め言葉だ。何しろ、これでつまらなかったら他のこの期間に発表されたロシアSFはいったいなんなんだ、という話になってしまう。 なので、話半分というか……、勢い余って言い過ぎちゃった人がどっかのメディアにいたのかな? ぐらいの心持ちで読み始めてみたのだけれども、いやはや……。これはたしかに、この10年で最高のロシアSFかどうかはわからないがめちゃくちゃおもしろい! 表面的な題材だけ抜き出してみれば、ゾンビ的な感染症に第三次世界大戦による終末世界化、変容してしまった世界を二人の男女が旅をするという、ありきたりなポストアポカリプス物

    この10年で最高のロシアSFと言われる傑作終末SF──『サハリン島』 - 基本読書
    huumm
    huumm 2020/12/30
    ポチっちゃった…、4000円もするけど😧丁寧に読んでメルカリかな…。
  • 数学と物理学と哲学が交錯し、どこまでもスケールする超遠距離恋愛SF──『不可視都市』 - 基本読書

    不可視都市 (星海社FICTIONS) 作者:高島 雄哉発売日: 2020/03/15メディア: 単行(ソフトカバー)この『不可視都市』は知性に関する3つの定理を解き明かす過程で「物理的に世界を変質させていく」様を描き出した、『ランドスケープと夏の定理』でデビューした高島雄哉最新作。東京大学理学部卒、その後に東京藝術大学を出て、今は小説家兼アニメやゲームなどのSF設定考証をつとめる異色の経歴を持つ著者だけれども、今回もそのバックボーンを活かすように、数学と物理と哲学が交錯し、「数学が世界を書き換えていく」様を描き出していく、超ド級のSFに仕上がっている。 世界観とか 2109年の22世紀、20世紀中盤、21世紀の後半と3つの年代と登場人物の物語が並行して語られる作だが、中心となっている概念は書名でもある〈不可視都市〉だ。発端は2108年のこと、突如世界各国の兵器の根幹である致死性自律兵

    数学と物理学と哲学が交錯し、どこまでもスケールする超遠距離恋愛SF──『不可視都市』 - 基本読書
    huumm
    huumm 2020/03/23
  • 植物状態の患者に意識はあるのか『生存する意識──植物状態の患者と対話する』 - 基本読書

    生存する意識 作者: エイドリアン・オーウェン,柴田裕之出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/09/19メディア: 単行この商品を含むブログを見る植物状態というと、通常は意識が完全にシャットアウトされ、意思疎通をはかることが困難な状態だという理解がされているだろう。それに対し「実は違う、植物状態とされている患者の中にも、意識が応答を返す人もいる」と証明し、さらには植物状態の患者と部分的な意思疎通を行うことまで可能にしてみせたのが神経科学者の著者、エイドリアン・オーウェンである。書は、その道程を一冊にまとめたものだ。 最も重要なのは、次の点かもしれない。物事を認識する能力が皆無だと思われている植物状態の人の一五〜二〇パーセントは、どんな形の外部刺激にもまったく応答しないにもかかわらず、完全に意識があることを、私たちは発見したのだ。彼らは目を開けたり、唸ったり呻いたりすることも

    植物状態の患者に意識はあるのか『生存する意識──植物状態の患者と対話する』 - 基本読書
    huumm
    huumm 2018/09/24
    スティーブンキングの短編に意識があるのに体が動かなくて誰も気づいてくれないっていうのがあったなあ
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