不正アクセスによる事故後にサービスを停止したことが債務不履行に該当するか否かが争われた事案。 事案の概要 Xは,Yの提供する仮想通貨交換サービスのサービス利用契約(本件サービス契約)を締結し,合計84万5000円を入金した。その後,Xは順次リップル(XRP)を購入していた。2018年1月26日にYのネットワークに何者が不正アクセスするという事故(本件事故)が発生し,Yは,すべての取扱通貨の出金等のサービスの提供を停止した。 Xは,同月28日にYに対し,本件サービス契約を債務不履行により解除し,入金した84万5000円の全額の出金を求めた。 ここで取り上げる争点 Yが本件サービスを停止し,入金されていた日本円を払い戻さなかったことは債務不履行にあたるか。 裁判所の判断 まず,「ハッキングその他の方法によりその資産が盗難された場合,各顧客に事前に通知することなく,本件サービスの全部又は一部の提