たとえば買い物の場面。値引きなど条件を提示されて興味を示したように見えても「ま、考えておくわ」と答えたら、買う気はない。ところが関東では「考えておく」と言えば、本当に考えている……。こうした文化の違いははっきりとは見えにくいもので、仕事上のコミュニケーションを難しくしたりもします。日本語には、標準語のほかにも関西弁や東北弁など方言が多数あり、同じ言葉でもニュアンスが大きく異なることがあります。 再び関西弁の話。私は大学時代を関西で暮らしたのですが、「お前、アホちゃう?」と言われた場合、「お前はオモロいやつや」という意味の褒め言葉として通用していました。つまり、関西の会社において「お前、アホちゃう?」と言われることは、社内においてひとつのキャラクターとなり、立ち位置を獲得した、つまりテレビ的な言葉でいうと「おいしい」状況なわけです。 ところが、所変わって関東では、「お前、アホちゃう?」と言わ