リアルタイムレイトレーシングを有効にするとゲームはどう変わる? 「Battlefield V」とGeForce RTX 20シリーズで試してみた ライター:宮崎真一 鳴り物入りで登場したNVIDIAの新世代GPU,GeForce RTX 20シリーズ。そのハードウェア周りにおける最大の特徴とも言えるのが,リアルタイムレイトレーシング処理を行う専用プロセッサ「RT Core」の搭載だ。 GeForce RTX 20シリーズの最上位モデルである「GeForce RTX 2080 Ti」の「Founders Edition」 そして,そのリアルタイムレイトレーシングに対応するゲームタイトルとしてNVIDIAが大々的にプッシュしているのがPC版「Battlefield V」(以下,BFV)だが,リアルタイムレイトレーシングを有効にすると,ゲームは何が変わり,また,性能面ではどれだけのインパクトが生
西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(11)「ストリートファイターV」における高密度なノンフォトリアル表現,そのレシピを探る・後編 ライター:西川善司 前編の後,筆者側の都合で中編の掲載まで時間がかかってしまった「ストリートファイターV」(PC / PlayStation 4,以下 ストV)編も今回の後編で最後となる。 今回は,ストリートファイターVの独特なアートスタイルを実現しているシェーダのメカニズムや独特な色調整システムなどについて取り上げる。 それと,普段のプレイ画面では見えないところまで作り込んである背景などのネタばらしなどは,一般のゲームファンにとっても楽しめる内容になっているはずだ。 関連記事 西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(10)「ストリートファイターV」における高密度なノンフォトリアル表現,そのレシピを探る・中編 前編の掲載から長らくお待たせしてしま
西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(10)「ストリートファイターV」における高密度なノンフォトリアル表現,そのレシピを探る・中編 ライター:西川善司 当初は前後編でお送りする予定だった「ストリートファイターV」(PC / PlayStation 4,以下 ストV)編だが,捨てるには惜しいほど情報量が多かったので中編,後編の3部構成でいくことにした。前編から数か月もお待たせすることになってしまって申し訳ない。 前編は開発背景や基本グラフィックススペックについて紹介したが,中編となる今回は「3Dグラフィックスを採用するもゲームメカニクス(=バトルシステム)は2Dベース」という本作特有のグラフィックスシステムを見ながら,カプコンの伝統芸とでも言うべき「2D格闘ゲームならではの表現レシピ」というものを考えていくことにしたい。 関連記事 西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(9)「
今年のCEDEC,ひいてはゲーム業界でのひとつのトピックが「レイトレーシング」なのは間違いないだろう。まだ一般人の手の届くところにはきていないわけだが,すでに既存のPCゲームでのレイトレーシング対応が行われるなど,欧米のゲーム企業はレイトレーシングに向けて舵を切り始めている。 残念ながら日本はまだそういった流れの蚊帳の外だ。そんなレイトレーシングはゲームどう変えていくのかについて考えるパネルディスカッションが行われた。 モデレーターを担当したバンダイナムコスタジオの?高橋誠史氏は,同社で先端的な技術を扱う部署に所属しており,今後はレイトレについても深くかかわっていくことになる人物だろう。 NVIDIAの竹重雅也氏は,国内でのゲーム開発のサポートを担当する部署にいるが,レイトレ対応GPUメーカーからの出席者であり,現状のテクノロジーについて国内で最も精通した人物の一人といえるだろう。 AMD
[SIGGRAPH]「Turing」で始まるリアルタイムレイトレーシングの時代に期待が高まったNVIDIAブース ライター:西川善司 新世代GPUコアの「Turing」と,「史上初のレイトレーシングGPU」を謳うQuadro RTXシリーズの発表で勢いに乗るNVIDIAは,SIGGRAPH 2018展示会場の同社ブースで,「レイトレーシング×Quadro RTX」一色の展示を行っていた。本稿では,報道関係者向けに行われたNVIDIAブースツアーの内容を踏まえて,同社ブースにおける注目の展示をレポートしたい。 SIGGRAPH 2018展示会場のNVIDIAブース(左)。右の写真は,ブースの入り口にあった「あなたもレイトレーシングの一部になろう」撮影コーナー。「再帰型レイトレーシングアルゴリズム」の開祖と言われるJ. Turner Whitted氏の論文で使われたサンプル画像をモチーフにした
西川善司の3DGE:新世代GPU「Turing」のリアルタイムレイトレーシングは「本物」なのか? その正体に迫る ライター:西川善司 既報のとおり,北米時間2018年8月13日,NVIDIAは,カナダ・バンクーバーで行われているコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の学会であるSIGGRAPH 2018に合わせ,新世代GPUコア「Turing」(テューリング)と,Turing世代初にして「史上初のレイトレーシングGPU」という位置づけのQuadro RTXを発表した。 Quadro RTXグラフィックスカード 本稿執筆時点で,Turingのアーキテクチャ面に関する詳細は明らかになっていない。つまり,NVIDIAのイベントで明らかになった以上の情報はないわけだが,それでも「Turing世代で何ができるようになるのか」はやはり気になるところだ。 今回は,現時点における公開情報を基に,
西川善司の3DGE:ノイジーな素材からレイトレ品質映像をリアルタイムに作る。「Project Spotlight」の技術にGPUの新たな進化が見えた ライター:西川善司 2018年3月に行われた大きな開発者向けイベント「Game Developers Conference 2018」(以下,GDC 2018)と「GPU Technology Conference 2018」(以下,GTC 2018)におけるゲームグラフィックスの話題で中心となったのは,「ゲームグラフィックスでレイトレーシングが使えるようになる」ことだった。 DirectXにレイトレーシングパイプラインを統合したMicrosoftの「DirectX Raytracing」(関連記事,以下 DXR)と,DXRのNVIDIA版ランタイムとなるリアルタイムレイトレーシング技術「RTX Technology」(関連記事,以下 RTX
西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(9)「ストリートファイターV」における高密度なノンフォトリアル表現,そのレシピを探る・前編 ライター:西川善司 格闘ゲーム自体は,起源を語ると8bit機時代まで遡ってしまうが,アーケードゲームの世界に「見知らぬ人同士との対戦」という新しい遊びを提供し,「格闘ゲーム」というジャンルを確立したのは何かと問われれば,それはストリートファイターシリーズということになる。 第2世代の「3Dグラフィックスを採用した2D格闘ゲーム」 ストリートファイターII ストリートファイターIV(のシリーズ集大成版と位置づけられる「ウルトラストリートファイターIV」 社会現象にまでなった「ゲームセンターにおける対戦ブーム」の火付け役は,初代「ストリートファイター」ではなく,1991年にアーケードで登場した「ストリートファイターII」(以下,ストII)のほうだった。以降,
[GTC 2018]Khronosが語る「Vulkan 1.1」。VR&AR向けAPI「OpenXR」の最新動向も ライター:西川善司 GTC 2018で,OpenGLやVulkanといったAPIの標準化を担当する業界団体Khronos Group(以下 Khronos)は,同グループが手がけるオープンスタンダードAPIに関するセッションを多数開催していた。その内訳はグラフィックス向けの「Vulkan」や仮想現実(Virtual Reality,以下 VR)および拡張現実(Augmented Reality,以下 AR)分野向けの「OpenXR」,並列コンピューティング向けとなる「OpenCL」などだ。 Neil Trevett氏(Vice President Developer Ecosystem,NVIDIA)。今回はKhronosのPresidentとして壇上に立った それらすべてを
[GDC 2018]「RTX」一色のNVIDIAブースで,ゲームにおけるレイトレーシング技術の活用アイデアをチェック ライター:西川善司 Expo会場のNVIDIAブース 今回のGDC 2018における展示会場「EXPO」において,ハードウェア関連ブースで常に人だかりが絶えなかったのが,NVIDIAのブースだ。 GDC 2018では,Microsoftがゲームグラフィックスにレイトレーシングパイプラインを統合する「DirectX Raytracing」(以下,DXR)を発表したことで注目を集めた。しかし,GDC会場でDXRの実動デモが見られるのは,Volta世代のNVIDIA製GPUを搭載するハードウェアを使用し,NVIDIAのDXR対応ランタイムモジュール「RTX Technology」(以下,RTX)が動作している環境のみ。そしてその環境があるのはNVIDIAブースだけだったからだ。
[GDC 2018]Oculusが2018年のVR戦略を語る。ソフトウェアの改良点から開発中の「Oculus Go」「Santa Cruz」まで ライター:米田 聡 GDC 2018の3日目となる北米時間2018年3月21日に,Oculus VR(以下,Oculus)主催のセッション「Inside Oculus 2018」が行われた。セッションタイトルどおり,2018年におけるOculusのトピックを語ると言った内容であったため,2018年前半発売予定のスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」の話題が多かったが,ソフトウェア周りや開発中の機器など,それ以外の話題も取り上げられたので,ざっくりとまとめてみたいと思う。 「Asynchronous Spacewarp」で,VRユーザーの裾野が広がる 本セッションは,ソフトウェア周りの話題や,Oculus Go,ハイエンドなスタンドアロ
[GDC 2018]西川善司の3DGE:DirectX Raytracingにおける最適解は「レイトレーシングを行わないこと」!? Futuremarkが語るその真意 ライター:西川善司 GDC 2018における3Dグラフィックス関連の話題は,ほぼ「レイトレーシング」で埋め尽くされている。というのも,MicrosoftがWindows環境下のマルチメディアコンポーネントAPIであるDirectXにレイトレーシングパイプラインを統合すると発表したからだ(関連記事)。 Microsoftはこの技術を「DirectX Raytracing」(略称「DXR」,以下略称表気)と名付けたが,GDC 2018の会期中にはEpic GamesにElectronic Arts,Remedy Entertainment,そしてFuturemarkの4社が早くもDXRベースの技術デモ,もしくはそのムービーをお披
[GDC 2018]西川善司の3DGE:DirectX RaytracingにRTX,Optix,ProRenderにRadeon Rays。“レイトレだらけ”の状況をすっきりさせてみる ライター:西川善司 GDC 2018における3Dグラフィックス技術関連で最大のトピックがレイトレーシングであることに疑いの余地はない。そのうち,MicrosoftがDirectX 12にレイトレーシングパイプラインを統合した「DirectX Raytracing」(以下,DXR)と,実際にそれを「Northlight」エンジンに組み込んだRemedy Entertainmentの事例はすでにお伝え済みだ(関連記事,関連記事2)。 Remedy Entertainmentは早くも自社のゲームエンジンにDXRを統合し,その技術デモを披露した RTXベースのレイトレーシング結果サンプル画像 ここで注意したいのは
[GDC 2018]西川善司の3DGE:DirectX Raytracingでゲームグラフィックスは何が変わるのか。「Quantum Break」のRemedyが示す,その方向性 ライター:西川善司 MicrosoftがDirectX 12にレイトレーシングのパイプラインを統合した「DirectX Raytracing」(略称DXR,以下略称表記)を発表し,大手ゲームエンジンが次々と対応表明を行っているというのは,GDC 2018における大きなトピックの1つだが(関連記事),独立系ゲームデベロッパの中にも早々とDXR対応をアナウンスしたところがある。古くは「Max Payne」,最近では「Quantum Break」(PC / Xbox One)で知られるフィンランドのゲーム開発スタジオ,Remedy Entertainment(以下,Remedy)だ。 Thomas Puha氏(Head
[GDC 2018]ついにDirectXがレイトレーシングパイプラインを統合。「DirectX Raytracing」が立ち上がる ライター:西川善司 DXRはAMDとNVIDIA共催のセッション群内,「New Techniques for Accurate Real-Time Reflections」というセッションで発表となった Game Developers Conference 2018(以下,GDC 2018)会期初日となる北米時間2018年3月19日,AMDとNVIDIAが共同主催した技術系セッション群「Advanced Graphics Techniques」で,Microsoftは,レイトレーシングのパイプラインをDirectX 12へ統合すると発表した。その名も「DirectX Raytracing」,略称「DXR」だ。 そもそもレイトレーシングとは これまでのリアルタイ
[GDC 2018]NVIDIA,ゲーム向けのリアルタイムレイトレーシング技術「RTX」を発表 編集部:小西利明 北米時間2018年3月19日,NVIDIAは,ゲームグラフィックス向けのリアルタイムレイトレーシング技術「RTX Technology」(以下,RTX)を発表した。RTXは,同日にMicrosoftが発表したリアルタイムレイトレーシング技術「DirectX Raytracing」(以下,DXR)と連携して動作するもので,これを利用すると,一般に「映画レベルの品質」とされる,レイトレーシングベースの3DCG描画を高速に処理できるようになるという。 RTXによるレイトレーシングのサンプル画像 NVIDIAのAdam Kerin氏によると,RTXは,Volta世代のGPUとNVIDIA製ソフトウェア,およびDXRにより実現されるものだそうだ。「Volta世代のGPU上で動作するよう最
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