文化と投稿に関するkagurakanonのブックマーク (12)

  • 無意識と格闘するということ--昔話の深層(河合隼雄) - かぐらかのん

    書は「ヘンゼルとグレーテル」「いばら姫(眠れる森の美女)」といった、あのグリム童話の数々をユング心理学の視点で鮮やかに読み解いていく目から鱗のグリム童話解説です。 河合隼雄先生といえば、面白エッセイストとか対談の名手、あるいは文化庁長官というイメージが強いですが、書では業(?)であるユング派分析家としての領が遺憾なく発揮されています。 ****** ユング心理学の特徴の一つとして「集合的無意識」における「元型」の概念が挙げられます。 「無意識の発見者」と言われるジークムント・フロイトによれば、人の心は意識(前意識)と無意識に分けられるとされます。これに対して、カール・グスタフ・ユングは無意識をさらに「個人的無意識」と「集合的無意識」に分けることを提唱しました。 集合的無意識というのは、ユングによれば個人的体験を超えた人類に共通する先天的な精神力動作用である「元型」によって構成される

    無意識と格闘するということ--昔話の深層(河合隼雄) - かぐらかのん
  • 転移の水準と愛の水準、あるいは「カードキャプターさくら」

    「フロイトは、非常に早くから、転移の中で生じる愛は真正のものかどうかという問題を提起しました。一般的には、それは端的に言うと一種の偽の愛、愛の影であると考えられています。」 (ジャック=ラカン「精神分析の四基概念」162頁より) 「転移」とは一般的には精神分析の場において、両親などの過去の人物との間の感情を反復することなどと言われますが、より質的なことを言えば「象徴的他者=〈他者〉」に対する「わたしを愛して」という「要求」に他なりません。 では〈他者〉とはなんでしょうか?〈他者〉とはその辺の「他人」とはまた違う、ある人にとって絶対的な象徴的秩序を体現する存在をいいます。 一般的に言えば、人生最初の〈他者〉は「〈母親〉=実母あるいは養育者」ということになるでしょう。ヒトの子どもは出生を経て現実界から象徴界に参入する代償として「享楽」を決定的に失うため、これを回復するための運動を試みます。

    転移の水準と愛の水準、あるいは「カードキャプターさくら」
  • 「君の膵臓をたべたい(住野よる)」を読む。生の欲望と出会い損ないの物語。 - かぐらかのん

    原作が出た時、満開の桜の表紙と猟奇的なタイトルの不思議な組みあわせに少し心惹かれましたが、その時は結局読まず終い。ただずっと気にはなっていた作品でしたので、今夏に公開された映画をきっかけに原作の方も手を出してみました。 12年後の【僕】が物語を回想する構成を取る映画版とは異なり、原作は桜良の葬儀の場面から始まり重苦しい雰囲気が漂う幕開けです。 住野よるさんという人はもともと電撃小説大賞を目指していたらしく、作も来は電撃用の応募原稿だったそうですが、分量が規定を超過してしまい投稿できず、紆余曲折あって「この作品だけは誰かに読んでもらいたい」という思いから投稿サイト「小説家になろう」に投稿したという経緯があるそうです。 なので、桜良ちゃんのエロゲヒロイン的な言い回しといい、やはり作の根底にも美少女ゲームないしラノベ的な文法構造が見て取れます。 あらすじはこうです。 クラスでなんとなく孤立

    「君の膵臓をたべたい(住野よる)」を読む。生の欲望と出会い損ないの物語。 - かぐらかのん
    kagurakanon
    kagurakanon 2017/10/15
    感想文書きました。本作の持つ「生の欲望に満ちた物語」そして「出会い損ないの物語」という結末の両義性。これが多くの共感を呼んだ理由の一つに思えます。
  • 華々しいバトル。煌びやかな日常。そして、堆積していく謎--カードキャプターさくら・クリアカード編1〜3(CLAMP) - かぐらかのん

    およそ20年前、多くの年端もいかない女の子達、そして「大きなお友達」を、尋常でない熱狂の渦中に叩き込み、そして彼ら彼女らのその後の人生に多大な影響を与えたと言われる作品がありました。そうです、CLAMPさんの不世出の名作「カードキャプターさくら」です。 そのアニメ化にあたってはNHKアニメ史上で最高制作費が投入され、地上波放送時には裏番組となったあの「ちびまる子ちゃん」を視聴率1桁にまで急落させた件は未だ語り草となっているわけですが、その「さくら」の正統な続編となる「クリアカード編」が去年からスタートしているのはご存知でしょうか? 物語は前作の最終回、つまりさくらちゃんと小狼が再開したところから再びスタートします。こうなるともう「続編」というより「連載再開」といった方が良いでしょうね。そして今回も掲載誌は前作同様「なかよし」というのがなかなか凄すぎます。 だって、これだけ成功したコンテンツ

    華々しいバトル。煌びやかな日常。そして、堆積していく謎--カードキャプターさくら・クリアカード編1〜3(CLAMP) - かぐらかのん
  • SsSと欲望の領野、あるいは「君の膵臓をたべたい」

    分析家の位置 「分析家とは誰でしょう。それは転移を利用することで解釈をおこなう者なのでしょうか。転移を抵抗として分析する者なのでしょうか。それとも現実性について自分が持っている観念を押しつける者なのでしょうか。」 (ラカン「エクリⅢ」より) 精神分析の臨床において分析家は分析主体にとって「知を想定された主体(SsS)」でなければならないといわれます。なんとなれば、精神分析という営みの場においては分析主体の「無意識」こそが最終的な権威であり、治療の進展の鍵を握るのは分析主体の「無意識の意識化」だからです。 そうである以上、分析主体の「無意識を意識化」促すには、分析家は分析主体の「無意識の代理人」として機能する必要があるということです。 そのためには分析家はーーー句読法、あるいは解釈など諸技法を駆使することでーーー分析主体にとって「知を想定された主体(SsS)」、つまり何か重要なことを知ってい

    SsSと欲望の領野、あるいは「君の膵臓をたべたい」
  • 構造主義をまとめて横断的にざっくりと知ることができる一冊--寝ながら学べる構造主義(内田樹) - かぐらかのん

    現代思想系の記事や、アニメの批評記事なんか読んでると、たまに何気に出てきませんか?「構造主義」っていう言葉。なんとなくわかるようでよくわからないモヤモヤ感がありますよね。 構造主義は、実存主義との対比という文脈で語られることが多く、その場合「構造主義=文化相対主義」といった観を呈してますが、これはレヴィストロースが構造主義を文化人類学に適用した結果であって、そもそもの構造主義とは、ある現象を現象たらしめている「構造」、つまり、構成諸要素相互の関係性を解析するという思考様式ないし手続的方法論なのであって、そこに何か特定の実体的思想があるわけではないんですよね。 もともとそういう掴み所の無いものですから、上記のモヤモヤ感は当たり前の感覚です。 そういうわけで構造主義とはどういうものかを知るのは、構造主義者と呼ばれる人たちの具体的なお仕事ぶりを通じて、各論的に知るのが一番手っ取り早いわけです。構

    構造主義をまとめて横断的にざっくりと知ることができる一冊--寝ながら学べる構造主義(内田樹) - かぐらかのん
  • エロマンガ先生最終話における「芸術の論理」と「去勢の論理」 - かぐらかのん

    honeshabri.hatenablog.com エロマンガ先生の最終話において、沙霧ちゃんの書いたエロマンガの局部描写にはモザイクがかけられており、ムラマサ先輩の書いたミケランジェロのダビデ象は無規制であったという問題です。 結論からいえばこれは社会常識的に妥当な処理でしょう。しかしながら何故これを大多数の人がこのような処理を「妥当」だと感じてしまうのか?というその理由を色々と考察するのはそれなりに面白いものがあります。 まず、上記リンクが言及しているように、ミケランジェロのダビデ象は「芸術作品」であり、沙霧ちゃんのエロマンガはただの「ポルノ」だからという理由。 これを仮に「芸術の論理」と名付けます。そして上記リンクはそのような区別は「芸術カースト」だと批判しています。 論理としては大変明快です。ただ、ここでの規制基準は「芸術の論理」ではないんだと思うんですよ。どうしてもそれだけでは回

    エロマンガ先生最終話における「芸術の論理」と「去勢の論理」 - かぐらかのん
  • いつも世界は私を拒絶する

    認知行動療法の発展に多大なインパクトを与えたアーロン・T・ベック博士によれば、うつ病を引き起こす認知の三大特徴として「自己否定(自分はダメだ)」「過去否定(世の中悪いことばかり)」「将来否定(この先いいことなんかあるわけない)」があると言われます。 ここでいう認知とは知覚した事象の捉え方をいい、人それぞれで異なるものです。認知、行動、気分、生理は円環的に連関しており、どのような認知をもっているかはその人の気分、行動、体調に多大な影響を及ぼすといわれます。 そして認知のレベルは自動思考とスキーマに分けられ、自動思考とはある状況に対して瞬間的に浮かぶ「状況の捉え方」をいい、スキーマとは自動思考の背景にある自己認識、価値観、世界観などの個人的な中核信念、つまり「その人の生き方を規定するルールのようなもの」をいいます。スキーマは精神分析でいうコンプレックスに相当するものであり、「その人にとってあま

    いつも世界は私を拒絶する
    kagurakanon
    kagurakanon 2017/06/26
    サクラクエストの凛々子回の考察書きました。
  • ケロちゃんステンシルでお絵描き - かぐらかのん

    kagurakanon
    kagurakanon 2016/12/08
    はてなブログ投稿しました\(^o^)/
  • 現実・象徴・想像、あるいは『君の名は。』と『シン・ゴジラ』の間 - かぐらかのん

    kagurakanon
    kagurakanon 2016/10/30
    ブログ更新しました。
  • アイドルという供給過剰なブラック産業

    痛いニュース(ノ∀`) : アイドルがファンに20カ所刺され重体 - ライブドアブログ なんとも凄惨な事件で、被害に遭われた方には当にただただお気の毒としか言いようがありませんが・・・ 今更こんなところで一般論的な何かを言うのもなんですけど、誤解を恐れずに言えば、今の時代、人並みの容姿の女の子であれば、(っていけるかどうかは別として)わりと簡単にアイドル(みたいなもの)になれてしまう。これはいわば規制緩和による供給過剰ともいうべき事象でしょう。もともとニッチな業界でメジャー、インディー入り乱れてのパイの仁義なき奪い合いが行なわれた結果、産業構造が加速的にブラック化しているわけでして、この過当競争に生き残るためには、多かれ少なかれ「ファンとの距離の近さ」っていう関係性自体を商品とせざるを得ない。そこに生じる「私は商品として『親しい関係』という幻想を貴方に売りましたけど、売り手の私自身は別

    アイドルという供給過剰なブラック産業
  • 音楽という箱入り娘

    痛いニュース(ノ∀`) : 「なんで全部無料で聴けないの??」…LINEミュージックのレビューが酷すぎると話題に - ライブドアブログ なんかLINEミュージックのレビューが酷いとかで。記事中で取り上げられたレビューを見るに「なんでチケット購入しないと聴けんの? 視聴者目線で考えて欲しい」「なぜ30秒しかきけないの? fullだとなんか問題でもあるの?」「急に30秒しか聞けなくなるよ!お金入れないとダメなんて…ラインの人チケットとかやめて全部無料にしてくれよ!」「30日間だけ無料ってのが気に入らない。その半端な数字をやめて、LINEなら、LINEらしく、ずっと無料でいいんじゃないの?? いきなり、1曲に30秒くらいしか聴けなくなったから、アンストしました。」等々。 なかなか理解し難い所ではありますが、けどそう思ってしまうのは我々がCDバブル世代なだけの話でして、むしろこういう反応っていうの

    音楽という箱入り娘
    kagurakanon
    kagurakanon 2016/05/21
    音楽って結構、機会損失、多いと思うんですよね。あ、いいなって思っても曲と名前が一致しないっていう。
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