『機動戦士Ζガンダム』において、アムロ・レイは鬱屈したキャラクターとして登場する。長い幽閉生活で萎えた精神は戦いを拒絶するが、その閉じた心に入り込んで重い扉を開けたのがベルトーチカ・イルマである。高飛車で傲慢な印象の一方で、アムロに対しては一途な顔も見せるベルトーチカ。そんな複雑なキャラクターを演じた川村万梨阿さんはどのようにその役作りをしたのだろうか。 古谷 ベルトーチカの役はオーディションだったんですか? 川村 いえ、指名だったと思います。ちょっとエキセントリックなキャラクターだったので、自分でもどうしたらいいのか戸惑う部分が多くありました。セリフもきつい言い方が多くて、これはどう演じたら視聴者の皆様にうまく伝わるだろうかと、かなり悩みましたね。 古谷 難しい役だよね、ベルトーチカって。 川村 そうなんです。私自身、当時は新人でしたし、出演3作品目で『ガンダム』……という緊張もありまし