「ねえ、お母さん、結婚したら一緒に住むって話、考えてくれた?」 「ダメよ、何を言ってるのよ。せっかくの新婚生活なのに。 慎一さんにだって迷惑がかかるじゃない」 「大丈夫だって。慎一さんちは資産家で家だって大きいんだから。 べつに気にする必要ないって」 「そういう問題じゃないわよ。『嫁入り道具に余計なモノまで付いてるわね』なんて笑われたら、 お母さん、恥ずかしくって相手のご家族に顔向けできないわよ」 「あははは、出来ちゃった結婚で嫁入りしようっていうのに、 今更恥ずかしいことなんて何もないってば」 「あら・・・大きなお腹抱えて大笑いして・・・いい大人が子供みたいに。 あなた、もう三十歳でしょう? すこしは大人らしくしなさいな」 「まだ二十九ですよーだ。とにかくさ、結婚したら一緒に住も。 今日はこれから慎一さんとデートなんだから、きちんと話をすれば大丈夫だって」 「だってこのままこの家で一人で