しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン, Greg Egan, 山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/07メディア: 文庫事故で瀕死状態となった夫の体を修復する間、妻がその胎内で夫の脳を保存するという話を読んでみたくてグレッグ・イーガンに手を出した。夫の脳を「孕んだ」妻が肉体が勘違いしてしまう母性といかに折り合いをつけるのか、理性と本能の戦いが地味ながらもなかなかエキサイティングな読書体験。ハードSFだとか敷居が高いだとか聞いていたので覚悟して読み始めたのだけど、SF的な部分に対する理解はおいといて、かなり楽しめた。日ごろモヤモヤ考えていたテーマに合致する話が多かったせいかもしれない。短編集なのだがバラエティに富んでいてとにかく飽きさせない。設定自体はハードSFなのだが語ってる内容はアイデンティティの話とか信仰の話とか愛の正体みたいなテーマで、かっちり