食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。 長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+α新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。 『大人のための算数力講義』連載第16回 『1㎥の水の重さは何キロ?間違って覚えていると恥ずかしい「単位」の換算方法を学びなおし!』より続く 「確率」という言葉を正しく捉える 確率という言葉は誰もがよく使う言葉だろう。ところが、その意味を誤解している場合が少なくない。 たとえば、サイコロが見えないように細工してあって、次の目の順番で規則正しく出るとする。 1, 2, 3, 4, 5,