家事ができない主婦 「あるとき、家でパソコンから目を上げると、怒った夫が食卓をひっくり返していた。私は過度にものごとに集中すると周りが見えなくなる『過集中』があるので、インターネットに夢中になっていて、夫の帰りにも気付かなかったんです。仕事で疲れて帰ってきたのに、ろくに挨拶もしない妻にガマンの限界だったのでしょうね」 こう語るのは、ADHDの傾向が強い発達障害を持つ小山内彩加さん(仮名、51歳)。夫と子供2人の4人家族。5年前に発達障害であると診断されるまで、まったく気付かずに生活を送ってきた。 「子供の頃から、母の手を焼かせる子だったそうです。叱られて『もう勝手にしなさい!』と言われると、他の兄妹はシュンとするのに、私だけ『勝手にしていいんだ、ヤッター』とますます自由に遊んでしまう。言われた言葉をそのまま受け取ってしまうんです。 運動感覚にも障害があるので、よく物を落としたり、こぼしたり