飼育室に設置されている台に飛び乗るツシマヤマネコの「かなた」=長崎県対馬市の対馬野生生物保護センターで2024年4月22日午前9時13分、吉田航太撮影 「とらやま」。日本で唯一、長崎の離島・対馬にだけ生息するツシマヤマネコは、地元で古くからそう呼ばれてきた。約10万年前に当時陸続きだった大陸から渡ってきたベンガルヤマネコの亜種とされる。1971年に国の天然記念物に指定され、絶滅危惧種として保護されている。 成獣の体重は3~5キロで体長は50~60センチ。額にある白黒の縦じまや、耳の後ろにある白い斑点(虎耳状斑(こじじょうはん))、太い尾が特徴だ。環境省によると、生息数は島内に100匹ほど。天然記念物になった後も個体数が減少したため、国は94年、種の保存法により国内希少野生動植物種に指定。今年で指定から30年を迎えた。 対馬市では、人口約2万7000人(2024年4月)に対し、シカが約4万5