青森市の旧清掃工場。ある箱を開けると、3畳ほどもある「凧(たこ)絵」が出てきた=青森市、小宮路勝撮影通常は閉まったままの新和歴史民俗資料館。市教委の職員が来てシャッターを開けてくれた=熊本県天草市、宮代栄一撮影シャッターが閉じたままの天草市立新和歴史民俗資料館。内部には農具などの収蔵品が並んでいた=熊本県天草市、宮代栄一撮影 戦後、増え続けてきた日本の博物館の数が初めて減った。日本博物館協会の最新の調査でわかった。全国の自治体が競うようにつくって、館の数は4千を超えたが、展示すらできない館が出てきた。文化の最前線で、どのような変化やきしみが起きているのか。その「変調」を追いかけていく。 有明海と八代海に囲まれる熊本県天草市。人口約9万人。市の中心部から車で30分、中田港に面して市立の新和歴史民俗資料館が立つ。入り口はシャッターが下りたままで、連絡先を書いた張り紙すらない。実は「開館」し