前回紹介した慶應大学主催のシンポジウム「電子書籍ビジネスの未来」で面白いなあ、と思ったのは、津田大介さんや、佐々木俊尚さんらのブック・プロモーションであった。 佐々木さんの『電子書籍の衝撃』の版元、ディスカヴァー・トゥエンティワンは、取り次ぎという書籍卸を通さず書店との直接取引を行っている。干場弓子社長によると『電子書籍の衝撃』では、「発売前の一週間、限定価格110円で全文をダウンロードできるようにサイト上で予告したところ初日にサーバーがダウンする騒ぎになってしまった」という。 これが話題となりアマゾン・ランキングも上がり、書店からの注文も増加したという。津田さんの『Twitter社会論』も、それこそ「つぶやき」プロモーションに徹して5万部近く売り上げた。 最近では大手の講談社も京極夏彦さんの新著『死ねばいいのに』のiPad配信を発表したり、五木寛之さんの小説『親鸞(上巻)』をウェブで公開