津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町の中心部・町方地区では本格復興に向けたかさ上げ作業が始まった。準備された盛り土(中央下)も雪に覆われていた=2月19日 東日本大震災から丸3年がたった。政府が25兆円を投じる5年間の集中復興期間は後半期に入り、政府は震災以前の状況に戻す復旧から、復興をきっかけに発展につなげる「新しい東北の創造」を目指している。しかし、復興事業の進捗に遅れが目立ち、被災地の生活再建のめどがたたないなど不満と不安が募っていることは否めない。さらに福島原発事故の被災地の前途は依然として厳しい。東北の復興の現状を追った。 震災直後に約47万人いた避難者数は、2012年4月に約34万4000人となり、13年12月末時点では約27万人まで減少したが、依然として当初の半数以上の人が不便な生活を強いられている。 仮設住宅でみると、12年12月に約30万人が約12万1000戸に入居して