まえがき 本の雑誌2020年8月号掲載の原稿を転載します。原稿にも書いたが、今回は大作揃い。特に『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』は上下巻でアホみたいに文字が詰まっていてページ数も多くて読むのがゲロ大変だった。おもしろいからいいんだけどね……。『幻覚剤は役に立つのか』も最高なノンフィクションだったし、『絶望を希望に変える経済学』も年間ベスト級だし、と非常に充実した月になっている。 ここから原稿 幻覚剤は役に立つのか 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ 作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/06/26メディア: Kindle版今回もかなりの大作揃い。まずご紹介したいのは、マイケル・ポーラン『幻覚剤は役に立つのか』だ。実は近年、LSDなどの幻覚作用を持つ薬物が医療や意識の研究対象として注目を浴びている。たとえば、ガンの末期患者らに、精神的苦痛に対処するため、マジックマッシュルームの