退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 非正規の地方公務員には退職金を払いたくない? 全国の自治体でそんな観測が浮上している。退職金の受給資格があるフルタイム非正規より1日約15分だけ勤務時間が短いため、受給できない「パート」が約5万8000人いることが国の調査で判明したからだ。専門家は「自治体が恣意的に勤務時間を短くしているのではないか」とみている。(渥美龍太、畑間香織)
2025年開幕予定の大阪・関西万博会場建設現場で3月28日、可燃性ガスに工事中の火花が引火して爆発する事故が発生した。地中の廃棄物から出たメタンガスが原因とみられている。現場は廃棄物処分場だった場所で、かねて危険が指摘されていたが、現実のものに。国内外2820万人の集客が予定されるが、こんな場所で開催して大丈夫なのか。(宮畑譲)
気象庁がマグニチュード(M)7.6と発表した能登半島地震。過去をたどると不可解な点が浮かぶ。地元の石川県は2012年、今回の震源地の能登半島北方沖でM8.1の地震が生じうると試算したが、家屋倒壊などの被害想定を示さず、地震対策の議論を先送りした。当時から住宅の耐震化などを進めていれば「救えた命」がなかったか。「地震リスクが周知されず」で済ませていいか。(西田直晃、木原育子)
作業員の身体汚染が発生した現場。上から延びるオレンジ色のホースが外れた=東京電力福島第1原発で(東京電力提供) 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に廃液が飛び散った事故で、東電と下請けの東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は16日、原因の分析結果を発表した。入院した作業員2人は、過去の作業経験から廃液は飛散しないと考え、ルールで定められたかっぱを着用せず、被ばくにつながったと指摘した。 両社によると、事故は10月25日に発生。配管の洗浄時間が長引き、高濃度の放射性物質を含む廃液の発生量を抑えようと、当初予定していなかった配管の弁を閉めて洗浄液の流れを抑えた。その結果、配管内の圧力が高まり、廃液をタンクに入れるホースが外れて飛散。タンク近くにいた2人にかかった。監視役の作業員もかっぱ着用を指示せず、予定外の作業員の配置換えや
政策評価は与党について「デフレからの脱却、力強い経済の再生に加え、G7広島サミット(先進7カ国首脳会議)の議長国としての取りまとめや日韓関係の改善、積極的な外交・安全保障政策を展開し、高く評価できる」と指摘した。 一方、自民党の課題として経済成長と財政健全化の両立をはじめ「こども・子育て政策において、広く国民全体が負担する財源のあり方の検討」を明記。岸田文雄首相が増税を否定する中で、あくまでも消費税増税を強く求めた格好だ。
福島県南相馬市で水揚げされた水産物に含まれるトリチウム濃度を測定する茨城大大学院の鳥養祐二教授=1日、水戸市 茨城大大学院の鳥養祐二教授(量子線科学)の研究室が、水産物に含まれるトリチウム濃度を約1時間で測定する技術を開発した。従来の1カ月から大幅に短縮した。福島第1原発の処理水放出後の1日、福島県相馬市で水揚げされた魚介類から抽出した水分中のトリチウム量を調べた結果、国が安全と定める基準を下回った。
新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
中小企業に最大二百万円を支給する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の再委託を受けた広告大手の電通がさらに、人材派遣のパソナやIT業のトランスコスモスに業務を外注していたことが分かった。法人の設立に関与したこの三社が給付事業の大部分を担っており、実体に乏しい法人を経由して、国の委託費を身内で分け合う不透明な構図が浮かんだ。(森本智之、桐山純平) 経済産業省が一日、国会の野党合同ヒアリングで明らかにした。法人の職員全員が、三社を含む設立に関与した企業からの出向者であることも判明。給与は法人と元の企業の双方から出ており、野党議員からは法人の存在意義を問う声が強まった。 法人から七百四十九億円で業務の大部分の再委託を受けた電通は、給付金の申請の受け付け業務を四百五億円でパソナに外注、トランスコスモスにもコールセンターの運営を任せていた。給付金の振り込み業務についても、法
国の持続化給付金事業を担う一般社団法人サービスデザイン推進協議会が設立から四年で、同事業を含め十四事業を計千五百七十六億円で経済産業省から委託されていた。うち九件を、広告大手の電通や人材派遣のパソナなどに再委託していたことも判明。残りの五件でも事業の大半を外注していた例があり、法人本体の実体の乏しさがより浮き彫りになった。 (森本智之) 過去の再委託の事例は経産省が国会議員に示した資料で明らかとなった。法人が再委託をした事業九件のうち、電通グループに七件、パソナには二件と法人の設立に関与した企業を中心に事業を回していた。 法人の不透明さが発覚する発端となった持続化給付金では、委託費の97%に当たる七百四十九億円が再委託費として電通に流れている。電通が設立に関与した法人から電通に事業が再委託される経緯について、両者はこれまで「回答を控える」としている。経産省は現時点で、持続化給付金以外の事業
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