現地時間3月10日に発表された今年の米・アカデミー賞。宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞、山崎貴監督の『ゴジラ-0.1』が視覚効果賞を受賞した。日本映画の快挙に国内は湧いたが、その裏で授賞式の様子については「アジア人差別」だという声が上がり、SNS上で議論が紛糾している。日本人として、今回のアカデミー賞をどう評価したらいいのだろうか。(フリーライター 鎌田和歌) ● 「アジア系差別ではないか?」 きっかけとなった授賞式の動画 SNS上で広く拡散されて議論を呼ぶきっかけとなったのは、助演男優賞と主演女優賞の発表時の様子だ。 前提として、前回アカデミー賞のそれぞれの受賞者は中国系ベトナム人のキー・ホイ・クァンと、中国系マレーシア人のミシェル・ヨーで、どちらも『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称エブエブ)での演技で受賞した。また、例年プレゼンテータ