高橋悠さんは、万引きをやめられずに苦しんだ過去をもつクレプトマニア当事者です。しかし、クレプトマニアであることは自分の「一部」。さまざまな当事者性があるからこそ、できることがあると語ります。 「クレプトマニア当事者」として活動する高橋悠さん(撮影・吉田緑) 2024年1月1日、オンライン上の自助グループ「ルームK」に約30人以上が集まった。お互いの顔も住まいも本名もほとんどわからない。声を発さない人もいる。それでも、彼らは仲間だ。「窃盗の問題」で悩み、ここにたどり着いている。 2022年2月に開設されたルームKの登録者は約300人で、多い日は60人ほどがミーティングに参加する。元日に開催された100回目のミーティングでの「分かち合い」は2時間に及んだという。 運営するのは、クレプトマニア(窃盗症)である高橋悠さん(活動名:41)だ。万引きが止まって4年以上になる。「浮き輪を投げ続ける。それ