たった一度のワンツーで決着。漫画のような非現実的なフィニッシュを井上が実現してみせたのが、6位にランクインしたWBSS1回戦のファン・カルロス・パヤノ戦でした。 側頭部に超高速の右ストレートを浴びたパヤノが仰向けに倒れ、KOに至るまでに要した時間はわずか70秒。井上が試合中に出したパンチの総数はたったの3発でした。元WBAスーパー王者を相手に軽量級とは思えない“一撃必殺”を披露したこの試合は、ボクシング界の権威『リングマガジン』が選ぶ2018年の「ノックアウト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。投票者から寄せられた「最初のワンツーで失神KO。こんな試合は観たことない」(48歳・男性)、「生で見て、倒した瞬間会場の時間が止まるという謎体験をした」(36歳・男性)といった困惑気味のリアクションも、モンスターの凄まじさを物語っています。