全裸で拘束、83回も水責め、数週間も睡眠妨害 CIAの「拷問図」が残酷すぎる…グアンタナモの元捕虜が克明に描写 小さな箱に監禁された捕虜。ジョージ・W・ブッシュ政権下でCIAが用いていた拷問の手法のひとつだ Illustration: Abu Zubaydah, Courtesy Mark P. Denbeaux via The New York Times
娼婦を表すのに古代人たちが使っていた語彙を挙げてみると、まるでラップみたいになる。「地たたき」「通り歩き」「1オボル」「銭娼婦」「汚れたもの」など、言われてもまったく嬉しくない呼び名だ。 こうした言葉には、娼婦と客の関係の即物的な性質や、娼婦の安さと使いやすさ、そしてもちろん彼女たちへの軽蔑が反映されていると説明するのは、カナダのブロック大学のアリソン・グレーズブルック教授だ。先述のサラ・レビン・リチャードソンと同じくこの分野の第一人者のひとりだ。 高級娼婦(メガロミストイ)も存在してはいたが、少数派だった。 古代ギリシャで、美しく、教養もあり、機知に富んだ「ヘタイライ」が話題の中心を占めていたのはたしかだ。頭脳も才能も一般的なアテネ人女性を凌駕するまでに高めた、卓越した「女性コンパニオンたち」のことだ。 だが、これにはあの思慮深き著述家プルタルコスも我慢ならなくなって、ヘタイラ(単数形)
ウクライナ国民の士気を奮い立たせ、世界に対しては各国の歴史を踏まえたスピーチで心を揺さぶる──ゼレンスキー大統領の名演説を手がけるスピーチライターは誰なのか? 英紙「オブザーバー」がその正体に迫った。 38歳の元ジャーナリスト ロシアがウクライナ侵攻を始めてから50日目、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はその日の夜も国民へ向けて語りかけた。ウラジーミル・プーチンはわが国を5日で制圧できると考えていたが、いまや「現実とお友達になる」ほかない状況に追い込まれている、と。 ゼレンスキーは数日前にロシア軍の巡洋艦「モスクワ」が沈没したことにも触れた。ウクライナ側がミサイルで撃沈したと発表したものだ。ゼレンスキーは「ロシアの軍艦でも…………海底に沈み得ること」を証明してくれたと、かなり長い間合いを入れてドラマチックにウクライナ軍をたたえた。 戦場では激しい攻防が続いているが、「情報戦」ではウクライ
1990年代、まだヤクザ社会に活気が満ち溢れていた頃、一人のアメリカ人記者が日本の刑事と共にその社会の裏側を暴こうとした──。命を危険に晒しながらも、ジェイク・アデルスティーンは記事を書き続け、さらにその経験を綴った著書『トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記』を出版。そして、この度ついにドラマ化され(日本では「WOWWOW」で配信)、アメリカでも注目を集めている。 ジェイク・アデルスティーン(エーデルスタインとも表記される)は、靖国通りのジャズクラブに腰を下ろして言う。通りの向かいにはネオン街の迷宮が広がる。「読売新聞」で犯罪を報じていた1993〜2005年にかけて、アデルスティーンはそこで情報源に会い、ヤクザの行動を観察していた。彼はこの新聞社史上初の外国人記者だった。 「私はここによくきて、いかにも外国人らしく英字新聞を読みつつ盗み聞きしました」と彼は振り返る。 「でも
長年日本に住む社会学者で、日本社会に関する著作も多数あるミュリエル・ジョリヴェは、この国のシャーマンたちを取材してきた。死者の霊を降ろし、自らの口を通して語らせることができるという女性のシャーマンたちだ。 2021年に刊行されたジョリヴェの著作『日本最後のシャーマンたち──日出る国での霊界との出会い──』(未邦訳)には、彼女が出会ったシャーマンたちの人となり、面会の様子、場所などを含め、驚くべき資料にもとづいた膨大かつ情熱に満ちたルポルタージュが収められている。仏紙「ル・モンド」が彼女にインタビューを行った。 ──この調査にもう10年以上取り組まれていますね。シャーマンの世界に関心を持たれたきっかけは何だったのでしょうか。 私は日本社会についての社会学的研究を40年以上続けてきました。そのなかでしばしば、幽霊や死者との交流、シャーマンの元を訪れるといった話に出くわすことがありました。 当初
4月1日、キーウ州イルピンの森でロシア軍の戦車を点検するウクライナ兵 Photo by Metin Aktas/Anadolu Agency via Getty Images ウクライナ侵攻中のロシア軍が部隊を再編成する際、現地の子供たちを「人間の盾」に使ったとして、ウクライナがロシアを糾弾している。首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで最初の目撃者が証言したことにより、調査が開始された。 ロシア軍がキーウやその他の地域から撤退する際、現地の子供たちを戦火を防ぐために利用したという主張が複数寄せられており、現在ウクライナの検事総長が調査を進めている。 キーウから北に100マイルのところにある、チェルニヒウにほど近い村では、子供たちが戦車の前に並べられていたという証言がある。 また、戦闘の激しかった多くの地域では、ロシア軍が現地の子供たちを人質にすることで、住民が自らの位置情報をウクライナ側に漏
台北市内の細い道を、ゴミ収集車がガタガタ大きな音を立てて走り、タピオカ専門店や雑居ビルの間を通り過ぎていく。夜空にはベートーヴェンの「エリーゼのために」を鳴り響かせている。 世界中の人にとって、このメロディーはピアノ教室や子供のおもちゃに使われる曲としてあまりにも普遍的なものだ。しかし、台湾の人々にとっては夜のルーティンの始まりであり、ビニール袋を抱えて階下に降りてくる合図である。 通りから「エリーゼのために」か、バダジェフスカの「乙女の祈り」が聴こえてきたら、ゴミ収集の時間だ。
今から36年前、まだウラジーミル・プーチンの名が知られていなかった時代に、独裁者プーチンの台頭と恐怖政治を予言するような近未来小説『モスクワ2042』がソ連で出版されていた。小説で描かれた2042年のロシアに君臨する“絶対的支配者”とプーチンの驚くべき共通点とは──。 2042年のロシアにはソ連が健在していた ソビエト連邦が崩壊に近づいていた1986年、ロシアのある風刺小説家が祖国の未来を想像した。国家元首はKGB(国家保安委員会)から出世した人物で、戦争で権力を固め、元同僚を影響力のある地位に引き上げ、ロシア正教会から権威を与えられたと主張し、何十年にもわたってロシアを統治していた。 つまり、彼はウラジーミル・プーチンを予言していたのだ。
核兵器を使う可能性はあるのか。米「CNN」によるこの質問に対して、22日、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「我が国の存亡に関わる脅威があれば、あり得る」と答えた。 この時使われる可能性として高い兵器のひとつが、小規模な分ハードルが低く「使いやすい」とされる小型の核兵器だ。広島に落とされた原爆を基準に、威力がその半分のものから、2%ほどのものまで、世界にはさまざまな小型核がある。 もしロシアがこれを撃った場合、世界はどう反応するのだろうか。核戦争に発展するのだろうか? 米紙「ニューヨーク・タイムズ」が専門家に聞いた。 ロシアは核武装を実用的なものと考えている 冷戦時の核兵器はその破壊力において、広島を破壊した原爆を凌駕していた。実験爆発では、ワシントンの兵器が最大で広島の1000倍、モスクワの兵器には3000倍の威力があった。 これには「巨大な報復の可能性」という脅威を見せることに
ウクライナ侵攻により、人命や生活、故郷、自由が人々から奪われている。誰もが失ってばかりの戦争だ。ただひとつ、戦争を支える武器をつくる軍需企業を除いては。 ロシアによる侵攻以降、各国の企業は兵器を通してどのように「儲けて」いるのだろうか。英エセックス大学の経営学教授が「カンバセーション」に寄稿した。 軍需企業の株価が急上昇 ロシアのウクライナ侵攻は、その不当な攻撃ゆえに広く非難されている。ロシア帝国の復活、そして新たな世界大戦に対して恐怖を覚えることは当然だ。 一方、あまり話題にされていないことがある。軍需産業がおよそ5000億ドルの武器を両陣営に供給し、かなりの利益を得ようとしているのだ。 この戦争における防衛支出は既に膨大なものとなっている。EUは4億5000万ユーロの武器を購入し、ウクライナに輸送した。アメリカは90トン以上の軍需品と、昨年だけでも6億5000万ドルの援助をしたことに加
著作が3500万部を売り上げ、地球で最も影響力のある知識人の一人となる以前に、ユヴァル・ノア・ハラリは、あまり研究されてこなかった軍事史に関する大著を発表していた。『騎士道時代の特殊作戦』(未邦訳)は、11〜16世紀に実行された暗殺、拉致、背信、サボタージュを総括した一冊だ。 それから15年、ロシアによるウクライナ侵攻がこの本の再読を促している(本書はイスラエル人とパレスチナ人の何度目かの対立の最中に書かれた)。その理由は明白だ。軍事史を理解することは、「ワグナー・グループ(ロシアの民間軍事会社)」の傭兵やラムザン・カディロフの「チェチェンの犬ども」(殺戮私兵団)の展開を、より良く理解するのに役立つかもしれないからだ。 そして今、ハラリは人類の歴史の行方がウクライナにかかっており、だからこそ決してプーチンに勝利を許してはならないと訴える。 プーチンは欧州を一つにした ──21世紀の戦争は、
日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回はゼレンスキー大統領の命を狙っている組織について。ロシアを中心とする国の暗殺部隊が、彼の首を狙っているというが……。 チェチェンの大統領は「プーチンの歩兵」 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから一週間以上が経過した。 ウクライナを軍事力で圧倒するロシアだが、現時点でもウクライナ政府に影響力を及ぼすような軍事的制圧はできていない。ロシアが戦略的に失敗しているとの声は少なくないのだ。もちろん、一刻も早く一般市民が犠牲になる戦闘は終結すべきである。 経済制裁やウラジーミル・プーチン大統領への制裁で、ロシアはどんどん孤立を深めているようだ。そんななかであっても、プーチンを支持すると発言し続ける「応
国際的に高く評価されている仏人画家のフランソワーズ・ジローは21歳のときから10年間、巨匠ピカソの愛人だったことでも知られている。2021年11月に100歳を迎えた彼女に米紙が取材。ピカソとの波乱万丈の恋愛や、若い女性たちへの人生のアドバイスを聞いている。 フランソワーズ・ジローは、クリーム色のソファーに背筋を伸ばして座っていた。彼女はまるで、これから神託でも告げるかのように厳粛に見える。その印象は、彼女が着ている仕立てのよい真っ赤なスーツによって、いっそう強められた。 「私にとって赤い服はある種のお守りなんです。ありのままの私を肯定してくれるので、『他人から見られたい自分』になることができます」 茶目っ気と脆さ、ためらいがちな優しさが混在した表情に、彼女の人柄が表われている。 2021年12月末、ニューヨークのマンハッタンにあるジローのアパート兼スタジオで、彼女にインタビューをする貴重な
薬局で安価に手に入るあの「ヴァセリン」を顔に塗りたくる美容法がいまTikTokを介して流行っているという。再び意外な形で脚光を浴びているヴァセリンの知られざる歴史を、アメリカ人歴史学者のスティーブン・ミームが軽妙に紹介する。 TikTok動画が流行りを示すものだとすれば、「スラッギング」(slug=ナメクジとかけた言葉)という妙な美容トレンドがメジャーになっている。 夜寝るときに「ヴァセリン」を顔に塗りたくるというこの美容法を解説した動画の数々は、1億人以上に視聴されている。翌朝起きて軟膏を洗い流せば、お肌ツルツルになるらしい。 きっとどこか遠い空の向こうで、化学者のロバート・オーガスタス・チーズブローがウンウンとうなずいているに違いない。自らの愛すべき発明であるヴァセリンの魔法の力を、新しい世代が再発見してくれたことを見て喜んで──。 このゼリー状の物質はゆうに1世紀半以上、さまざまな美
ウクライナ侵攻が起き、ポーランドやバルト三国など、ロシアと国境を接する国々は警戒を強めている。なかでもベラルーシとも国境を接するリトアニアは、ロシアと関係を強化する中国へも警戒を高め、台湾との関係を深めたことで中国から制裁を受けている。 そのリトアニア首相イングリダ・シモニーテがウクライナ侵攻を受け、英誌「エコノミスト」に寄稿した。 ロシアの脅威から目を逸らしてきた西側諸国 すべては起こるべくして起こったことだった。 1999年のプーチンによるチェチェン紛争は、西側諸国の目を覚ますきっかけとはならなかった。2007年のエストニアへのサイバー攻撃、2008年のグルジア紛争、2014年に始まるウクライナへの軍事侵攻と不当なクリミア併合もそうだった。これらの行動の不当性や責任を、ロシアはすべて否定している。 そして、政権に反対する者、「不都合な」目撃者やジャーナリストは、あからさまに数多く暗殺さ
いたずら心に満ちた父親 1968年4月、米国防長官も務めたロバート・マクナマラが世界銀行の総裁となった。当時、世界銀行で高官として働いていたボリス・ジョンソンの父スタンレーは、あるエイプリルフールを用意した。50年経ったいまでも、彼は目をキラキラさせながら当時を語る。 「融資の提案書は色が決められていて、承認委員会に出すべき完全な文書は『灰色』でした。それで私はある灰色の提案書を作ったんです。 その内容は、エジプトの観光産業を発展させるために1億ドルを融資するというもので、『3つのピラミッドを追加で造る』という提案をしました。 この融資プロジェクトの間接的な利益として、エジプト軍が新ピラミッドの建造できわめて多忙となり、そのおかげで中東の和平が保証されることになるでしょう、と説明したわけです」 バカバカしさはこれで終わらない。新しいピラミッドの「投資利益率」は、「おおよそ9.762%」にな
ロシアによる侵攻を受けて、大勢のウクライナ人がポーランドをはじめとするEU諸国へ退避している。そしてEUはこの歴史的な人道危機に、国境を開放してウクライナ難民を温かく迎え入れている。 戦火を逃れてきた人々に無条件に助けの手を差し伸べる──感動的で心を打たれる絵だ。 だが、ここで少し考えてみてほしい。これまでシリアやアフガニスタンから、地中海を越えてアフリカから難民が押し寄せてきたとき、EUはかなりの抵抗を示してきたではないか。それが突然、まるで手のひらを返したように、ウクライナ難民は歓迎しているのだ。 米紙「ワシントン・ポスト」は、「突如として歓迎、ヨーロッパは避難してくるウクライナ人に門戸を開いた」と題した記事で、このEUの態度の急変を指摘している。 シリア難民を中心に約200万人が助けを求めてヨーロッパを目指した2015~2016年当時、それは「欧州の難民危機」と表現され、流入しようと
“怠惰”であることが合理的だった ──集中力や記憶力がアップし、ストレス耐性も得られる……新著『最強脳』(新潮新書)では、運動がもたらす効用を多岐にわたって紹介されています。なぜ運動をするだけで脳にこれだけポジティブな変化が起きるのでしょうか。 20年前の定説とは異なり、脳への血流は運動によって増えることがわかっています。脳に充分な酸素や栄養が行き渡ることで、運動中や運動直後に脳の機能は良くなるのです。 さらに運動を習慣化すると、記憶を司る海馬が物理的に大きくなります。そして、脳の各部位の連携も強化され、認知機能が高まると考えられています。
鉄の首輪をはめられ、犬用の鎖につながれた女性の姿が中国のSNSで拡散された。この女性は「徐州八孩母親(徐州市の8児の母)」と呼ばれ、8人もの子を産んだとされている。性的暴行疑惑や人身売買疑惑も囁かれ、中国社会は大きなショックに包まれた。開催中の北京冬季五輪よりも関心を集めている。 地元政府「拉致や人身売買の事実は無い」 1月26日、江蘇省徐州市に属する農村の豊県歓口鎮で悲惨な暮らしをしている女性の姿をネットユーザーが動画に撮って1月28日にSNSにアップし、またたく間に拡散された。 農家で撮られた動画は、夫が屋内で子供たちの着替えや食事のサポートをしている一方、妻は半屋外の老朽化した狭苦しい家畜小屋で、虚ろな表情のまま、鉄の首輪をはめられ、犬用の鎖につながれ拘束されている。 真冬なのに彼女は薄い上着しか羽織っておらず、裸足で、頭髪はボサボサに乱れ、皮膚は黒く薄汚れ、歯は抜けてボロボロだ。放
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