熱暑が続く日本。「筋肉の少ない高齢者は熱中症になりやすい?」など、意外に知られていない熱中症の基礎知識から、今から学んで来夏も実践できる予防対策まで紹介します。(西田佐保子) 「脱水」が熱中症を引き起こす 熱中症は、高温多湿で暑い時期、体温調整がうまく機能せず、熱が体内にたまることにより起こる状態の総称です。夏の暑さの中、体温は上がります。体は体温を下げる働きのある汗を大量に出し、体液は失われます。これが「脱水」状態です。さらに発汗が続くと、これ以上体液を喪失しないよう、体が発汗にストップをかけます。発汗による体温調節ができず、体内の熱を放散できなくなることで、さまざまな臓器がダメージを受けるのです。 体が暑さに慣れていない時期に注意 熱中症の発症には、気温、湿度、風速、日射などの環境条件と個人の体調が関係しています。日本救急医学会熱中症委員会の調査報告によると、熱中症の発症時期は7月中旬