福島第1原発の半径20~30キロ圏内の住民たちに呼びかけられた「自主避難」。現在、原子力災害対策特別措置法に基づく「屋内退避」の指示が出されているこの圏内で暮らしている人は1万人超。地元からは「判断が遅い」「言いっ放しは無責任」といった声が出ている。すでに、30キロ圏外の街でも、ゴーストタウンと化するなど、混乱は広い範囲で起きている。 ■ 「これまで屋内退避という無責任な指示しか出さず、決断が遅い」というのは福島県川内村の井出寿一総務課長(57)。川内村は福島第1原発から半径20キロ圏内の富岡町の住民約6千人を受け入れたが、屋内退避指示後「物資が届かなくなり、避難住民の世話もできずにじっとしているしかなかった」。川内村の20~30キロ圏内には 家畜農家や寝たきりの高齢者ら村民約70人が残っている。「これでようやく脱出してほしいと説得できる」と井出課長。 やはり20~30キロ圏にある