なにか病気なり、障害なりの対策をしようとする時に、まず必要なのは現状把握だ。 現在、治療や支援や配慮を必要としている人がどの程度いるのかを知りたい。そういった頻度を見ることは、疫学研究の第一歩である。 「先の九州での研究は、コホート研究としては結果を出せなかったんですが、1歳半のときの自閉症スクリーニング(選別)の精度がどうかは示せました。私たちは実際の健診に来た人を1歳半でスクリーニングして、6歳まで追いかけて、実際に自閉症を発症したか、そうではなかったか見ていって、スクリーニングの性能として感度や特異度という指標を割り出しました。それで、陽性反応的中度は、それまでの報告よりも少し低いことも分かりましたし、長期追跡した研究はおそらく世界で初めてだったので、研究室だけで実施した結果と、実際に地域で実施した結果は異なるということも示せました」 検査にまつわる指標はとても大事なことで、感度(病