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「フリーフォール」「通貨危機」「経済崩壊」ーー。これらは、1ドル=160円までの急激な円安を踏まえて投げかけられた警戒すべき言葉である。GDPの1%とも言われる為替介入が円安を食い止める以上の効果を上げられなかったことで、警戒感はさらに強まった。この原稿を書いている時点で円相場は1ドル=157.8円だ。 大きな危険は「金融クラッシュ」ではなく… 普段は冷静なエコノミストの1人で、日本に住んでいたこともあるノア・スミスは、ブログの読者にこう語った。 「日本の通貨はまだ暴落していない。日本の経済破綻は、日本国民を困窮させるだけでなく、世界経済の柱のひとつを揺るがすことになる...」。 2003年当時、日本が日本国債の大暴落の危機に瀕しているという話があったことを思い出す。もちろん、そのようなことは起こらなかったし、円にそのようなことが起こっている証拠もほとんどない。 より大きな危険は、突然の金
「行政指導でここまで踏み込んだ文書は、あまり見たことがない。次こそは許しませんよ、というメッセージだろう」 総務省は3月5日、SNS「LINE」や検索サービス「Yahoo! JAPAN」などを運営するLINEヤフーに行政指導を行った。その指導内容を記した文書を見た通信業界関係者は、驚きの声を上げた。 LINEヤフーは2023年9~10月、LINEの利用者や取引先の情報など約51万9000件を外部に漏洩させていた。総務省はこのうち2万件以上が電気通信事業法上の「通信の秘密」の漏洩に当たると判断した。 具体的な指導項目として、LINEヤフーの親会社に50%出資する韓国のIT大手、NAVERとのシステムの切り離しや、グループ全体のセキュリティガバナンス体制の強化などを要請。その取り組み方針などを4月1日までにとりまとめたうえで、今後少なくとも1年間は、四半期ごとに総務省に対応状況を報告することを
東京地裁が「逮捕も起訴も国家賠償法に照らして違法」と断じた大川原化工機冤罪(えんざい)事件。判決は確定せず、控訴審で争われることになった。 2023年12月27日、東京地裁(桃崎剛裁判長)は国と東京都に約1億6000万円の賠償を命じた。これに対し、国と東京都は控訴期限の2024年1月10日、午後4時台になって控訴。大川原化工機の大川原正明社長ら原告も同日午後5時に控訴した。翌11日、原告と被告の双方がコメントを発した。 東京地検の新河隆志次席検事は定例記者会見で「国が控訴していることは承知している」と述べた。大川原社長など原告らが「国や都が謝罪してくれれば控訴しなかった」としている点については「現時点でお答えは差し控える」とコメントを避けつつ、「念のために言うが、国が控訴したのであって、検察庁が控訴したわけではない」と付け加えた。 警察庁の露木康浩長官は定例記者会見で「警視庁で精査した結果
ラグビーワールドカップ・フランス大会が南アフリカの4度目の優勝で幕を閉じました。鍛え抜かれた選手たちが死力を尽くして戦う姿は感動と興奮の数々。ラグビーファンにとって、4年に1度の至福の毎日でした。 ただ、個人的に気になったのが、観客の審判へのブーイング。審判が応援するチームに不利な判定をしたり、反則が疑われるプレーがあるたびに、地鳴りのようなブーイングが起きました。 筆者は、2019年に行われた日本大会で5試合を観戦しましたが、1試合に1回くらいしかブーイングを耳にしませんでした。今大会の新しい動きと言えるブーイングについて、どう考えればいいのでしょうか。 ビデオ判定で誤審は減ったはずなのに 審判へのブーイングについて考える前に、ラグビーにおける審判の役割について、歴史の変遷を踏まえて紹介しましょう。 ラグビーは、計30人もの大男が広いグラウンドで80分にわたって猛スピードでぶつかり合う競
テレビ業界の広告主やメディアが集まって行われるアメリカのイベント「Upfronts 2023」において、YouTubeが30秒間の「スキップできない広告」を導入すると発表された。 この情報が日本で報道されるや否や、SNSでは賛否両論が巻き起こり、Twitterではトレンド入りする結果となった。 筆者もこれを見た瞬間は、「こんな改変をして大丈夫なのか?」といぶかしく思ったが、よくよく調べてみると、この広告が導入されるのは限られた条件下であることがわかった。 依然として、多くの人が仕様について誤解しているように見受けられる。本稿では、実際の仕様とそれに基づいてYouTube広告がどこに向かおうとしているのかについて論じたい。 「スキップ不可」の広告は限定されたチャンネルで導入 YouTubeの広告にはさまざまな形態があるが、物議を醸しているこの新サービスが導入されるのは「YouTube Sel
従来の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードによる「オンライン資格確認」に一本化する「マイナンバー法等一括法案」の国会審議が続いている。法案は来週にも参議院を通過し、可決・成立する可能性がある。ところが、その成立間際になって、制度の信頼を揺るがすトラブルが相次いで表面化している。 厚生労働省は5月12日、マイナカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」をめぐり、別人の情報を間違って本人の資格情報(加入している健康保険や自己負担限度額など)にひも付ける「誤登録」が2021年10月から2022年11月までの1年2カ月間に7000件以上見つかったと発表した。そのうち5件では別人の薬剤情報や医療費通知情報が閲覧されていたという。 サラリーマンなどが新たに健康保険に加入した場合、協会けんぽや健康保険組合などの保険者が本人の氏名や生年月日などの資格情報をデータベースに登録する。その際、本人のマイナン
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──ほかの自治体や国でも明石市と同じことはできますか? 当然できる。去年ぐらいから兵庫県内の周りの自治体が一気に明石のまねをしてくれるようになった。一例を挙げれば18歳まで親の所得制限なしでの医療費無料化。「こんな金のかかることはできるわけがない」と言われていたのに、加古川市や播磨町など10を超える自治体が一気に方針転換しはった。 ほんまは国だって「日本がやばい」と思えばできること。首相が腹をくくったら簡単ですわ。「防衛費を倍にする」と言うなら、子ども予算でもできるからね。 ──国と自治体の役割をどう切り分けて考えていますか。 継続的なセーフティーネットは、本来お金を持っている国がやるべきこと。今は逆転現象が起きている。国が一時のばらまき施策をやって、市町村が医療費無料化のような継続施策をやっている状況。 ベーシックサービスとしての医療、保育、給食、教育の費用は国家が責任を持って財政支援す
広大な「洋服の青山」の駐車場内に現れたのは、あのハンバーガーチェーンのキッチンカーだった――。 「モスバーガー」を運営するモスフードサービスは創業50周年の記念事業として、1月29日よりキッチンカーを導入した。1号車は、東京・大田区にある「洋服の青山 大田久が原店」の駐車場内で稼働している。緑と赤のイメージが強いモスバーガーだが、視認性を高めるべくキッチンカーの配色は黄と黒にした。 定番商品の「モスバーガー」を改良したキッチンカー専用商品「50thMOS」(680円)などを主力とし、全5種類のメニューを提供。約1キロメートルほど離れた「モスバーガー千鳥町店」で食材保管や仕込みなどをこなし、同店を母店としてサテライトで展開する。 きっかけはトップ同士の縁 もともとモスバーガーは売り上げに占める持ち帰り比率が約6割と高かったが、コロナ禍の巣ごもり需要を背景に最大8割程度にまで上昇した。こうした
日本人選手が続々と金銀銅のメダルを獲得し、2度目の東京五輪の歴史を刻んでいる。その一方、東京都の新規感染者数が連日1000人を優に超える中、医療現場が逼迫してきている。 都内の入院患者は7月上旬の1500人台からわずか4週間足らずで2700人台に急増。保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる1日当たり件数も1カ月前の50件から184件へと3.7倍も増えた。東京都の検査の陽性率も10%を超え、感染爆発のステージ4を示している。 危機感が高まる中、五輪関係者の感染拡大も問題になっている。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会によると、7月1日以降の累計感染者数が148人にのぼる事態となっている(7月26日時点)。 こうした中、今度は海外から大会関係者を迎え入れる玄関口、空港従業員の感染者の増加が懸念され始めた。 羽田空港近くの病院に勤務するある医師は「羽田空港従業員の新型コロ
5Gの普及が世界的に遅れている ――コロナ禍で2020年4~6月期(第1四半期)の純利益が前年同期比15%減少したなかでの社長就任でした。 2020年は第1四半期に車載向け部品の売上が大きく落ち込んだ。まだ欧州や日本では自動車の実需が大きく戻っていないが、7月以降は中国や米国の自動車市場が回復し、期初に想定していたほど落ち込まなかった。 またパソコンやタブレットの端末の台数需要は通期で昨年度比3%増になると予想している。ただ、これはいわゆる巣ごもり需要によるもので、一過性のものだろう。 ――9月には中国の通信機器大手、ファーウェイに対する米国政府による輸出規制が強化されるなど米中対立が激化。影響はありましたか。 ファーウェイが5Gのインフラや開発で先頭を走っていた。5Gの普及が世界的に進むと年初に考えていたが、それが遅れている。(ファーウェイ以外の)他のメーカーでカバーされる部分はあるので
新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下「新型コロナ」)の「第2波」と呼ぶべき感染の再拡大が足元で続いている。東京都では7月12日の新規感染者(陽性者)が206名に上り、4日連続で200人を超える水準が続いている。 一方で、TwitterなどのSNS上では新型コロナの危険性を軽視する風潮が一部に見られる。個人批判が目的ではないので個別に挙げることは避けるが、「コロナはただの風邪」あるいは「コロナは茶番」といったフレーズを多用し、新型コロナへの注意を呼びかける専門家、著名人、あるいはマスメディアを批判することが多いようだ。 彼らの論拠には「陽性者数が増えているのは単に検査数が増えているから」「重症者や死亡者は増えていない」「罹患しても若者の死亡率は低い」などがある。しかし、いずれの説も新型コロナに関するデータの特性や注意事項を把握しているとは言い難い。ひとつずつ検証していこう。 陽性
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コロナウイルスの場合は麻疹とは違い、飛沫の飛距離はせいぜい2メートルぐらいですから、感染をブロックすることは容易です。 一番簡単なのは、患者さんを見つけて隔離することです。個室に隔離してしまえば、その部屋の中にいくら飛沫が飛んでいっても、部屋の床がウイルスだらけになっても、部屋の外には出ていかない。だから他の人に感染することはありません。 接触感染をブロックする方法ですぐに思いつくのは、感染者が触ったであろうところを見つけてウイルスを除去する、あるいは人が近づかないようにすることですが、これは口で言うのは簡単だけど実際には難しい。 コロナには「手指消毒」が効く理由 街を見渡しても、例えばエレベーターのボタンやエスカレーターの手すりなど、人の手はいろんなところを触ります。だから、感染者が触ったところを全て見つけて対策を取るのは現実的には不可能です。 ですから、接触感染をブロックするために「手
私は30年間救急医療に携わっている。1994年には、挿管法を指導する画像システムを考案した。呼吸を助けるための管を挿入するプロセスを指導するものだ。これを契機に私は挿管法のリサーチを行うようになり、その後、過去20年は世界各地の医師たちに向けて気管処置の講座を行っている。 3月末、新型コロナウイルス感染患者がニューヨークの病院にあふれ返るようになり、ベルビュー病院で10日間、ボランティアで支援にあたった。この間私は、このウイルスによって致命的となる肺炎の早期発見ができていないこと、そして患者を、人工呼吸器を使わずに回復させるための方法がもっとあるはずだと考えるようになった。 肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない ニューハンプシャー州の自宅からニューヨークまでの長距離運転中、友人のニック・カプトに連絡をした。彼はブロンクスに勤務する救急医で、すでに新型コロナ騒ぎの渦中で奮闘していた。私は今
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「しっかりと戦う準備はできている」。これは、自身の近しい友人でレバノン人デザイナーのメイ・ダウック氏がレバノンの首都ベイルートに持つ自宅で開かれた新年祝賀パーティーに現れた元日産会長カルロス・ゴーン氏の発言だ。 パーティーの出席者の1人は、ゴーン氏は元気そうだったと話す。大晦日のこの日、ゴーン氏は友人の執筆による自身の状況に関する本と、これをベースにした映画の制作に出資する計画を明らかにした。ゴーン氏は今後、生涯にわたって日本の司法制度を批判していくだろう。約20年間日本に愛されてきた同氏は、今後日本の最大の敵になるに違いない。 世界的セレブへの対応に不慣れだった 「ゴーンはどんな手を使ったのか?」 ゴーン氏の逃亡がわかってから、日本、レバノン、フランス始め、世界中でこんな疑問が浮かんだ。24時間体制の監視下にあり、自宅ドアには監視カメラがとり付けられていたゴーン氏は、日本で最もその動向に
ウォルト・ディズニー・ジャパンによるステルスマーケティング(ステマ)騒動は、いまだその余波が続いている。映画『アナと雪の女王2』公開後、7人の漫画家が12月3日にTwitterで“感想漫画”を投稿。同時に、同じハッシュタグで、丹念に書き込まれた感想漫画が投稿されたことから「これはステルスマーケティングではないか」との指摘が相次いだ問題だ。その後、12月5日と11日にウォルト・ディズニー・ジャパンが謝罪文を発表。報酬が支払われたうえでのマーケティング施策であったことが明らかになっている。 この騒動による波紋が広がり続けているのは、マーケティング施策であることを示す表記がなかったことに加え、広告代理店として関与していた電通の担当者が表記不要と説明していたことがある。また漫画家をキャスティングしたPR表記なしのマーケティング施策が他コンテンツでも行われた形跡があることなど、少しずつ情報が明らかに
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