ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (6)

  • 中川剛『町内会 日本人の自治感覚』 - 紙屋研究所

    1980年に出たで、今では新刊として手に入らない。 ぼくも図書館で借りて、その後、古として購入したものである。 古についていたオビが非常に要領よく書の問題意識をまとめているので、そのまま紹介しよう。 昭和二十二年訓令によって廃止された町内会は、三月後にはその八割が復活した。アメリカが自国の自治の理念を日に移植しようとした試みは成功したといえるのだろうか。内務省と占領軍民政局との間の交渉過程は、そのまま日米両国の社会構造と人間関係の規範の原理的差異を浮かび上がらせた。戦後史を通じて日蔭の位置にあった日伝来の隣保組織のなかに、借り物ではない自治の可能性を虚心に探り求めた犀利な日社会論。 占領軍が想定した地方自治を、英米型の地方分権モデルだとして独立した近代的個人が市町村レベルで地方政府を形成するというものだとしたうえで、「廃止」されてもなお残った町内会・部落会に良くも悪くも日

    中川剛『町内会 日本人の自治感覚』 - 紙屋研究所
    palop
    palop 2023/08/13
    面白かった。ケア倫理オリエンテッド社会を夢想するアナーキスト寄りの人達は、こういう下世話な話にも首を突っ込んで見通しを語ってほしいのう。
  • 公立高校でこんなにお金がかかるのはおかしくないか - 紙屋研究所

    娘が入学する高校の説明会に行った。 お金を用意しろと言われて「けっこうかかるもんだな」と当惑した。 もちろん、それらは事前情報をしっかり読みこんでいれば、身構えることができたものだろうけど。 まず3月末までに8万9000円振り込めと言われた。 入学料などである。「入学料は県の条例にもとづき、納入することが定められております」などといきなり書かれているので、「振り込まないと入学取り消しか!」とビビってしまう。 確かに入学料は納入が義務なのだろうが、実はそれは5550円に過ぎない。他の費用が凄まじいのだ。PTA入会金1000円、同窓会終身会費1万7400円、学校教育活動費5万890円なのであった。最大のものは「学校教育活動費」である。 「学校教育活動費」とは一体何か。 字面からして、すごいではないか。学校の・教育活動の・費用なのである。 「そんなもの不要ですよ」とは絶対に言えない雰囲気。 ただ

    公立高校でこんなにお金がかかるのはおかしくないか - 紙屋研究所
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    palop 2023/04/02
    最近の子供社会は合格発表から入学式までの間にSNSグループが結成されるらしいので、親御さんも頑張れば入学説明会までに任意の圧力団体を作れそうな気がする。とアラフィフ独身おっさんが安易にけしかけてみる。
  • 松竹伸幸『シン・日本共産党宣言』 - 紙屋研究所

    共産党は党首公選をやってはどうかということが話題になっている。 www3.nhk.or.jp news.yahoo.co.jp www.sankei.com www.yomiuri.co.jp その台風の目になっているのが松竹伸幸『シン・日共産党宣言』(文春新書)である。「ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由」というサブタイトルの通り、党首公選を求めて党の防衛政策などの発展を訴えている。 実は松竹の書には、表現の自由での政策の対立をめぐり、ぼくの名前も出てきてびっくりする。 シン・日共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由 (文春新書 1396) 作者:松竹 伸幸 文藝春秋 Amazon 党首公選をしたらいいではないか。これが書についてのぼくの結論である。 党首公選をやったほうがいい派に変わった理由 数年くらい前までは「やらないほうがいい」派であったが、「やったほう

    松竹伸幸『シン・日本共産党宣言』 - 紙屋研究所
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    palop 2023/02/13
    党員が減っている組織が、分派・派閥を禁止して、いつものメンバーで下から積み上げる議論をして、党の方針を決定すると、当然ながら大きな路線や方針は継続的になって変化が生まれにくい、という面白い組織論。
  • 小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所

    この記事を読んで思ったこと。 news.yahoo.co.jp 特にこの点。 ●運動会の目的と目標がきちんと明確になっていない。 関係者のあいだで(保護者だけでなく、おそらく教職員の間ですら)腹落ちしていない。 ●その目的、目標に照らして適切な手段となっているかが十分に検討されていない。 ところが、なんと、指導要領には一言も「運動会」という言葉は出てこない。この事実を教職員は知っているだろうか? 正確に言うと、特別活動の学校行事のひとつとして、「健康安全・体育的行事」という記述はある。この体育的行事のひとつの例として、運動会はある。(指導要領の体ではなく、解説には運動会との文言は出てくる。) 極端な話をすると、「うちは運動会はしません」という学校があってもよいわけである。 運動会が目的に合ったものなのか、そもそもマストではないはずだ、という指摘は大事だ。 なぜなら、ぼくはつい先日小学6年

    小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所
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    palop 2019/06/03
    今や親世代にゲーマーも多いだろうしesportsがもっと市民権を得たら、学校で大会を開いて、1ヵ月前から親子で練習して、大会当日は子供の晴れ姿(ゲーム実況)をPCの前にかじりついて応援する未来が生まれるかな。
  • 太田垣章子『家賃滞納という貧困』 - 紙屋研究所

    司法書士として家賃滞納の処理にあたってきた筆者が、18のケースを紹介している。 家賃滞納という貧困 (ポプラ新書) 作者: 太田垣章子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2019/02/08 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 230ページのなのに200ページまで事例紹介がい込んでくるのは、いくらなんでも多すぎないか……? とは思ったけど、個別事例の中にわかりやすく普遍性を見出そうという手法なのだろう。滞納の中にあるドラマのようなものを読み取ってしまった。 忘れられないのは、大阪の生野区にある部屋の家賃を滞納し続けた20歳の男性のケースです。人とまったく連絡が取れなくなったため、四国に住む親御さんに連絡すると、「2、3年連絡を取り合っていないが、便りがないのは良い知らせ」だと言い切り、まったく関わろうとしないのです。 しかしその若者は、部屋の中で餓死していました。 慣

    太田垣章子『家賃滞納という貧困』 - 紙屋研究所
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    palop 2019/03/17
    昨年の福岡市長選に、ネオリベ現職高島市長の対抗馬として共産党推薦で立候補した神谷氏のエントリーだという文脈込みで読まないと。公約は低所得層への家賃補助や市営住宅の増設。
  • 岡田一郎『革新自治体』 - 紙屋研究所

    どこかで聞いたような… 美濃部革新都政が誕生した選挙で、美濃部陣営に加わった中野好夫が当時の社会党に対して、それまでの都知事選挙(社会党は田川・加藤・有田・阪の4候補を歴代担いできた)の経過をふりかえって加えた批判は次のようなものだった(中野「革新都政を支えるものは何か」)。 田川、加藤の選挙には全く関係しなかったが、二度の有田選挙、そして前回の阪*1 選挙には、いずれも多少ながらこれに関係させられた。さてその敗戦後におけるこれら候補者に対する〔社会――引用者注〕党の処遇は、明らかによくなかった。不信義とさえいえると思う。まるで担ぎ出しておいて、あとはポイといってよい形だった。(岡田『革新自治体』p.85に中野の引用) 美濃部を候補者と選び出すまでに、革新陣営は二転三転している。 まず、国民的人気があったとされる社会党の江田三郎。 江田に都議会が少数与党であることなどを理由に断られ、総

    岡田一郎『革新自治体』 - 紙屋研究所
    palop
    palop 2016/08/19
    この記事を読む限りだが、山口二郎先生は現代の松下圭一になりたかったのかなと思った。
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