『ディス・イズ・アメリカ』はTBSラジオの「ジェーン・スー生活は踊る」「アフター6ジャンクション」「荻上チキSession-22」などで放送した音楽特集から、アメリカの政治的・社会的トピックに関連する解説を抜粋し、さらに音楽メディアに寄稿したコラムや評論などをまとめた本だ。激動する近年のアメリカ社会の中でポップミュージックが何をうたってきたのか?を「グラミー賞」を軸にしてまとめている。 新時代の女性のエンパワメントアンセムを歌うアリアナ・グランデ。美しさの価値や基準は自分で決めるボディポジティブ運動のシンボルになっているリゾ。LGBTQをテーマにした曲を発表したテイラー・スウィフト。地球温暖化について歌うビリー・アイリッシュなど、本書を読むと、音楽を通してアメリカのいまが見えてくる。 また、グラミー賞における黒人差別問題も本書を読んで知った。2000年以降で、最優秀アルバム賞を取った黒人の