インフルエンザと比較して新型コロナでは体内に炎症を起こす頻度が高いことから、それを反映して後遺症も多いとされています。コロナ禍で多くの新型コロナを受け入れてきた病院からみた、肺の後遺症について解説したいと思います。 日本における後遺症の頻度新型コロナに感染した後、咳や倦怠感などの罹患後症状(後遺症)が続くことがあります。重症であればあるほど、後遺症の症状が長引きます(図1)。 図1.新型コロナ後遺症の経過例(筆者作成) アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、感染者の16%は12か月を超えて症状が持続していると報告されています(1)。しかし、これまで日本ではまとまったデータがありませんでした。 先日、日本呼吸器学会の英文誌において、日本における後遺症(罹患後症状)の研究結果が発表されました(2)。日本の26医療機関において18歳以上の入院患者さんを対象とした1,200人の観察研究で