かんぽ生命保険の不正販売で大揺れの日本郵政グループ。郵便局の信用を逆手にとって高齢者に不利益な契約を押しつけていたという一連の問題で、グループ内で収益の要を担うゆうちょ銀行の影はまだ薄い。 しかし、かんぽ問題と同様に、ゆうちょ銀行でも経営層が過大な営業目標やノルマを現場に押しつけ、不適切販売が行われていた疑いが浮かびつつある。朝日新聞経済部の藤田知也記者がリポートする。 架空の電話実績を捏造 ゆうちょ銀行が「疑惑」の記者会見を開いたのは、9月13日のことだ。 「(原因は)営業実績とかノルマみたいなものではない」 「(不適切販売で)なんとかして実績を稼ぐ、ということではない」 記者会見のひな壇にいたゆうちょ銀行の投資信託事業部長はそう繰り返し、同行で横行していた投資信託の不適切販売と営業目標やノルマとの関係を、きっぱりと否定してみせた。その場には同行の常務も同席していた。 その日、同行による