アニメ制作会社の社長やスタッフに、自社の歴史やこれまで手がけてきた作品について語ってもらう連載「アニメスタジオクロニクル」。多くの制作会社がひしめく現在のアニメ業界で、各社がどんな意図のもとで誕生し、いかにして独自性を磨いてきたのか。会社を代表する人物に、自身の経験とともに社の歴史を振り返ってもらうことで、各社の個性や強み、特色などに迫る。第14回に登場してもらったのは、「宝石の国」で世にその名を広めたオレンジの井野元英二氏。フリーランスとしてCG制作を続けてきた井野元氏がオレンジを立ち上げた経緯、そして、オレンジの代表となった現在も、ディレクターとして現場に携わるその理由を探った。 取材・文 / はるのおと 撮影 / ヨシダヤスシ CG専門の制作会社がやっていけるかわからなかった2004年のオレンジ設立まで、井野元氏はフリーランスでCG制作に携わっていた。当初はゲーム業界を中心に活動して