アメリカではアマゾンがヘルスケア事業に次々と参入し、医療サービスを提供しはじめている。圧倒的な規模とインフラを持つ同社の存在感が高まればヘルスケアの形は変わり、既存の体制も破壊しうる──英経済紙がアマゾンのヘルスケア事業の動きとリスクについて追った。 医療現場で活用されるアマゾンの音声アシスタント 「音楽をかけて」とか「パスタを茹でるのに11分のタイマーをセットして」など、何百万もの人々が、日々、雑事をアマゾン社の音声アシスタントに指示する。一方、これとまったく同じテクノロジーが、アメリカのヒューストン・メソジスト病院でも使われている。ここで音声アシスタントに告げられるのは「手術を始めよう」などだ。 同病院はアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と提携し、音声アシスタント「アレクサ」に搭載されたのとほとんど同じ技術を用い、音声認識システムを8つの病院の手術室に設置した。 この音声アシスタント