VOCALOIDの音楽クリエイター「ハチ」としてニコニコ動画から火が付き、ソロデビューを経て現在の地位を手にした米津玄師。彼が初音ミク10周年の2017年に、「マジカルミライ」というVOCALOIDイベントのテーマソングとして書いたのが「砂の惑星」だ。 これまでニコニコ動画で流行った数々の曲を引用し、2007年の「メルト」からVOCALOID文化が始まったことを示唆する歌詞である。ここから読み取れるのは、米津玄師による2017年のニコニコ動画の評価だ。昔は栄えていたが、今は砂しかない場所。かつての盟友・ハチは、ニコニコ動画を率直に批判する。 水を差されたボカロPたち初音ミク生誕10周年をお祝いしたいボカロPたちからすれば、VOCALOID草創期を作り上げてきた伝説のクリエイターによる裏切りに感じられただろう。 ──ニコニコ動画を「すでに廃れた砂漠」と例えた歌詞のことですね。 はい。「ここ最