労働組合の幹部だった男性によるセクハラやパワハラの発覚を受け、地元では被害者支援の動きも出た=徳島市の県労働福祉会館で2021年8月31日午後6時11分、国本ようこ撮影 職場でハラスメントに遭った場合に、私たちが頼る相談先の一つに労働組合がある。だが果たして労組は自らの足元での働きやすい環境作りに本気で取り組んでいるのかと、疑問視せざるを得ない事態が起きていた。労組トップによる8年にわたるセクシュアルハラスメントに苦しめられた専従職員の女性がいる。長年被害が見過ごされた背景に、労組全体の「体質」はないだろうか。 飲食店に呼び出し、手にキス…… 「あの人は、ハラスメントの学習会などでは、まっとうなことを言う。でも会が終わると、すぐハラスメント発言をする。どうしたら自覚してもらえたのか、今も答えがわからない」 徳島県の労組内でのセクハラを訴えた中村知子さん(40代、仮名)が振り返る。 中村さん