前回は、ディープラーニングの中でも、とくに画像認識で利用される畳み込みネットワークを取り上げた。画像認識はディープラーニングの応用分野として、最も研究が盛んで、適用事例も多いエリアである。しかし、そのほかの分野でもさまざまな形での応用が進められており、そこでは畳み込みネットワーク以外の手法が利用されることも多い。 今回は、それらの中から「再帰型ニューラルネットワーク」と呼ばれる手法を取り上げて解説する。 ある時刻の値は、以前の 時刻の変化の延長上にある 再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:以下、RNN)は、ニューラルネットワークを拡張して時系列データを扱えるようにしたものである。ここで言う時系列データとは、ある時間の経過とともに値が変化していくようなデータを指し、店舗の日次売上データやホームページのアクセス数履歴、工場設備のセンサデータなど、多種